名古屋市観光文化交流局は9月10日、名古屋市観光・MICE戦略2028(案)をまとめた。将来的に人口減少が見込まれる中、「どえらい名古屋。」をキーワードに、中部圏の広域観光の取り組みを進めるとともに、名古屋ならではのコンテンツづくり、MICEブランド構築を通じて、観光・MICEをまちづくりの成長エンジンにしていく方針だ。同案は今後、パブリックコメント手続きを経て、11月に策定・公表する。
「どえらい名古屋。」は、▽目的地(Destination)▽起源(Origin)▽エンターテインメント(Entertainment)▽ルーツ(Roots)、すばらしい(Amazing)▽双方向(Interactive)―の頭文字からキーワード化。名古屋を目的地化するためのコンテンツ造成、エリアの魅力向上、効果的なプロモーション、循環型MICEの確立などを目指す。
市内で観光まちづくりに注力するエリアには、名古屋駅周辺をはじめ、名城、栄・大須、四間道・那古野、文化のみち、城山・覚王山、金山、熱田・白鳥、有松・桶狭間・鳴海・大高、金城ふ頭・ガーデンふ頭を挙げた。
インバウンド誘客では、中部国際空港から入国する台湾、韓国、中国など東アジア中心の観光プロモーションに加え、東京・大阪間で長期滞在するヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアからの観光客へのプロモーションも展開するとしている。
市内の観光総消費額は4887億円(23年)と、コロナ禍前の4268億円(19年)を上回っている一方、外国人延べ宿泊客数は183万人(23年)で、19年の225万人を上回るまでには至っていない。国際展示場と国際会議場(3ホール)の日数稼働率もコロナ禍前には回復していないのが現状だ。人口が増えない環境下では、所得が増えない限り消費額も頭打ちになる。中部圏外から名古屋を訪れる交流人口拡大は、まちの成長を支えるのに重要になる。
提供:建通新聞社