秋田市議会の一般質問で11日、新スタジアムについて質疑があり、穂積志市長は、八橋運動公園第2球技場と健康広場敷地に候補地を絞り込んだ旨を改めて報告。工藤潤平議員(自民)が再質問で「まちづくりの基本計画を見直す可能性はあるか」と質したのに対し、「外旭川地区のまちづくりは民間施設、卸売市場、新スタジアムの一体的整備による相乗効果を目指している。スタジアムが(外旭川から)抜けるなら当然、基本計画の見直しは必要」と明言した。
新スタジアムについては、Jリーグ側から整備スケジュールの前倒しを求められており、外旭川地区以外の市街地で必要面積を持つ土地の調査・検討を実施。現時点では5,000人規模のスタジアムを想定し、八橋運動公園の第2球技場と健康広場敷地に候補地を絞り込んだ(本紙3日付1面参照)。
外旭川地区のまちづくりでは当初、卸売市場再整備で生じる余剰地に建設する場合、令和12年度の着工、2032シーズンの供用としていたが、これを1年以上前倒したい意向で、年内には建設地を決定したい考え。
スタジアム建設では、PFIを含む公設での事業スキームも検討。八橋運動公園に公設で整備すれば、国の補助制度による市の財政負担軽減が見込まれるほか、PFIを採用した場合は民間事業者の参画により、旧文化会館跡地との一体的な利活用による利便性の向上などがメリットとしている。
今月2日に行われた市議会本会議の市長説明では、第2球技場・健康広場の代替地として秋田スポーツPLUS・ASPスタジアム、多目的広場、勝平市民グラウンドなどを考えていると述べ、利用状況などを勘案しながら新スタジアムの着工までに代替地の供用を開始したい考え。代替地の整備費用は、人工芝化する費用として2億5,000万円程度を想定している。
穂積市長は11日の一般質問で、外旭川地区まちづくりの基本計画を見直す考えを示した一方、「仮にスタジアムが他の場所に移ることになった場合でも、事業パートナーであるイオンタウン株式会社との協議は継続していきたい」「基本計画で試算した経済波及効果などにも影響する可能性はあるが、目指すまちづくりの目的や方向性が変わるものではない。引き続き同社とともに、まちづくりを進めていきたい」と述べた。
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秋田建設工業新聞社