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建通新聞社(中部)
2024/09/11

【愛知】名古屋市 三の丸地区まち構想へ議論を開始

 名古屋市住宅都市局は9月9日、名古屋城三の丸地区まちづくり構想有識者懇談会を開いた。出席者はいずれも、三の丸地区が持つ重要性・ポテンシャルを高く評価。その上で専門的立場から意見を述べた。重要な拠点が集積する三の丸地区は、築50年を超えた建物が約6割を占め、老朽更新の時期を迎えていることや、都心部にありながら休日・夜間の人通りが少ないなどの課題を抱えている。同局は本年度、目指すまちや、目指すまちの実現について考え、2025年10月ごろをめどにまちづくり構想案を示す見通し。同構想自体は25年度末の策定を目指している。
 三の丸地区は全体面積約63f。まちづくり構想では、久屋大通公園のテレビ塔・北エリアや愛知県新体育館(IGアリーナ)の整備など、隣接する周辺エリアで魅力向上が図られている中、建物更新時期に併せて地区の魅力を向上させるとともに、周辺地区との連携を強化し、名古屋の新たな顔として成長・発展させるためのまちづくりの進め方≠ネどを盛り込む方針だ。
 まちづくりの視点として同局は、ウオーカブルや持続可能性、しなやかさ(レジリエンス)を提示。三の丸でまちづくりを進めていく上で重要な考え方や、おおむね30年後の目指していくべきまちの姿などについて有識者7人が意見を述べた。
 加藤義人岐阜大学客員教授は、歴史的建造物(市庁舎など)について「本庁舎として使うことの限界性を考えるべきではないか」と述べた他、人口減少、家計消費減少といった今後の動向に対して、民間オフィスやMICE施設機能導入などを提案した。また、「名古屋城がみえるまち≠ノして、城を最大限活用しては」と語った。
 浦田真由名古屋大学大学院情報学研究科准教授は、「AI活用が進んでも、本物・体験はなくならない」とし、「名駅や栄のように、用事が完結する場所(会議して、ついでに買い物、食事までできる)にする視点は大事」と述べた。
 三の丸地区には、市・県・国の庁舎をはじめ、名古屋医療センター、中日新聞、NTT、愛知県図書館などが所在している。


提供:建通新聞社