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建設経済新聞社
2024/09/09

【京都】令和7年度〜11年度の投資額 府営水道全体で77億5000万円+α 木津浄水場で高度浄水処理導入も

 京都府営水道事業経営審議会が6日開かれ、答申中間案について議論した。
 持続可能な府営水道事業のあり方について(第3次答申中間案)の付属資料として建設改良計画の概要を盛り込んだ。その中で今後見込まれる建設改良費として、次期料金算定期間(令和7年度〜11年度)の投資額を示した。
 府営水道全体で77億5000万円+αを見込む。内訳は、施設(管路除く)が老朽化対策44億5000万円(▽宇治浄水場22億9000万円▽木津浄水場4億5000万円▽乙訓浄水場10億円▽共通施設7億1000万円)、水質リスク対策が+α。水質リスク対策は、木津浄水場の高度浄水処理について費用も含めて現在検討段階であり、事業評価等を経て事業化を判断していく。
 管路が33億円。内訳は、老朽化対策・耐震化25億8000万円(宇治送水管路11億5000万円、木津系送水管路14億3000万円)、第2分水施設整備(分水管路(城陽2))7億2000万円。
 なお次々期(令和12年度〜16年度)は、府営水道全体で77億4000万円+α。施設の老朽化対策35億2000万円、水質リスク対策+α。管路の老朽化対策・耐震化42億2000万円。
 個別でみると、宇治浄水場に係る建設改良費22億9000万円は、受配電設備等更新9億8000万円、薬品注入設備更新4億5000万円、導水ポンプ予備機設置2億7000万円、現場操作盤等更新1億4000万円、その他4億5000万円。
 木津浄水場に係る建設改良費4億5000万円は、沈殿池汚泥掻寄機更新1億3000万円、取水ポンプ制御盤等更新1億3000万円、無停電電源設備更新9000万円、その他1億円。木津浄水場の水質リスク対策として高度浄水処理導入促進+α。
 乙訓浄水場に係る建設改良費10億円は、薬品注入設備更新3億7000万円、現場操作盤等更新1億2000万円、導水施設地下水排水ポンプ更新8000万円、その他4億3000万円。
 共通施設(広域浄水センター、久御山広域ポンプ場、薮中継ポンプ場、分水、幹線調整施設、水質、府水、本庁)に係る建設改良費7億1000万円は、薮中継ポンプ場薬品注入設備更新1億9000万円、水質分析機器更新1億円、分水施設遠方監視制御設備更新6000万円、分水施設電磁流量計更新6000万円、その他3億円。
 異臭味リスク等が高まっている木津浄水場については、水質リスク対応として高度浄水処理導入に向けた取組を推進している。
 「粉末活性炭処理」及び「粒状活性炭処理」の両面から、既設浄水処理フローへの組み合わせ及び施設諸元や浄水場内への配置等の検討を行っており、実験プラントによる処理実験により、実際の原水水質に対する有効性も確認することとしている。実験結果をもとに検証を行った上で、基本設計(配置検討等)を行い、有識者の意見を聴取し事業評価を行う。
 事業化にあたっては、コスト負担が生じるため、受水市町等に説明しながら進めていく。
 高度浄水処理導入に向けた取組スケジュールによると、検討業務(処理方式・配置等)として令和5年度〜6年度に処理実験と検証、6年度〜7年度に基本設計を行い、また事業評価として6年度〜7年度に評価書作成・有識者意見聴取を行い、事業認可変更として6年度〜8年度にかけて資料作成、協議・届出を行う。その後、8年度以降に事業化(詳細設計、工事等)を予定している。