八千代市は、設計施工分離発注(従来方式)による市役所新庁舎の整備について、6月に実施した建設業者へのヒアリング調査の結果、概算工事費約130億円を見込んでいることを明らかにした。2023年度は約83億円を想定していたため、約47億円の増となっている。増額要因は、建設資材および労務単価の高騰など。今後は、概算工事費を精査の上、10月に当初予算要望用、12月に継続費補正要望用の工事費を算定し、3月定例議会に26年度までの4か年継続費の変更を含む予算案を上程する想定。年度内に実施設計をまとめ、25年4月に分割発注方式による工事発注を行い、10月の着工を目指している。
第3回定例議会代表質問で、嵐芳隆議員(市民クラブ)による新庁舎整備の現状と今後の予定についての質問に、浅倉正弘・総務部長が答弁した。
浅倉部長は、建設工事について「急激な工事費増を認識しているが、令和元年台風や新型コロナウイルス感染症への対応を優先的に進めるために新庁舎整備事業を延期した経緯があることから、これ以上の延期はできない」との考えを示し、「今後も工事費は上昇傾向にあると考え、事業を延期した場合はさらなる工事費増を招く恐れがある。実施設計業務の中で工事費を精査し、予定通りの着工を目指す」との方針を明らかにした。
デザインビルド(DB)方式による新庁舎建設工事の総合評価落札方式一般競争入札が不調となったことを受け、23年度第2回庁舎整備検討委員会において辞退届を提出した参加者を含む建設業者5社に対してヒアリングを実施した結果、従来方式や建築工事、電気工事、機械工事を分けて発注する分割発注方式を「参加しやすい」とする意見が挙がった。
新庁舎はS造5階建て、建築面積3847・01u、延べ床面積約1万2921・19uの計画。
そのほか、S造平屋建ての公用車車庫など総建築面積・床面積167・99uを整備する。
建設地は、大和田新田312―5の市役所敷地内。敷地面積は2万5017・28u。敷地内には、既存庁舎(本庁舎旧館・新館・別館)、上下水道局庁舎、多目的棟、福祉センター、各種倉庫、来庁者用・公用車用駐車場がある。
実施設計業務は、類設計室が25年3月31日までの納期で担当している。