北海道建設新聞社
2024/09/06
【北海道】寿都町長と神恵内村長が道議会最大会派に概要調査へ理解を求める
高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場の選定を巡り、文献調査が行われている寿都町の片岡春雄町長と神恵内村の高橋昌幸村長が4日、道議会を訪れ、最大会派「自民党・道民会議」に対し、第2段階の概要調査への移行について、理解と協力を求めた。同会派は現時点で賛否を表明しておらず、今後、所属議員の間で議論を進める。
「自民党・道民会議」は自民党道連の53人で構成され、道議会で単独過半数を維持している。勉強会は、政策立案の中枢を担う政務調査会とエネルギー政務調査会が合同で開催。両首長と所属道議が初めて一堂に会し、これまでの経緯や今後の方向性などについて意見交換した。
非公開で約1時間開かれ、出席した道議によると、片岡町長と高橋村長の双方が「次の概要調査に進みたい」という考えを明らかにした。理由として、核のごみの処分場選定が全国で滞っていることや、地域振興などを挙げた。
また、両首長は、核のごみは受け入れ難いとした2000年制定の条例を理由に、鈴木直道知事が反対の意向を表明していることについて、「仮に概要調査に進んでも、核のごみが持ち込まれることはない」などと疑問を呈した。
一方、別の出席者によると片岡町長は「これは全国的な問題。一自治体が判断するのではなく、全国で議論しなくてはならない」と発言。最終処分場問題は国内全体が自分事として考える環境づくりが必要だとあらためて示した。
自民党・道民会議は、10日には原子力発電環境整備機構(NUMO)とも意見交換を行う予定。現時点で賛否を表明していないが、今後も議論を進め、最大会派としての考えや方向性を鈴木知事に進言することなども視野に入れている。
概要調査への移行には、知事と首長双方の同意が必要となる。鈴木知事は道民の意見や道議会の議論を踏まえ、自身の最終的な考えを表明する意向を示している。