ホテル・寮事業などを全国展開する葛、立メンテナンス(東京都、中村幸治代表取締役社長)は、陸前高田市の中心部かさ上げ地に、温泉大浴場をメインとするホテル「(仮称)ドーミーインEXPRESS陸前高田」の新築を計画し、工事安全祈願祭が4日、同市総合交流センターで開かれた。規模は、鉄骨造3階建ての延べ床面積3942・09平方bで、客室136室を設置する。設計・監理は潟Jミムラ建築研究室、施工は葛エ本店が担当。年内にも工事に入り、施設は26年7月末の完成、同年夏の開業を目指す。総投資額は約26億円から27億円。
当日は関係者約30人が出席。神事に従い代表者がくわ入れ、玉ぐしをささげ、円滑な工事を祈願した。
神事後、共立メンテナンスの横山博開発本部取締役開発本部長は、「国内外の皆様にホテルを利用していただけるよう運営にまい進し、市民に愛される施設として市の復興を支えていきたい」と、あいさつ。来賓を代表し佐々木拓市長は、「中心市街地へのホテル建設は広く市内経済の活性化に寄与し、市勢の発展に弾みが付くもの」と、整備効果に期待を込めた。
橋本店の武田文孝代表取締役社長は、「培ってきた技術と英知を結集し施工業者一丸となって工事を完遂させたい」と述べ、無事故無災害を誓った。
共立メンテナンスのホテル建設は県内で2カ所目。事業では、20年3月に同市と建設に関する覚書を締結し当初、22年春のオープンを見込んでいたが、新型コロナウイルス禍を受け整備を延期していた。
新設するホテルの建設場所は、同市高田町並杉303番地の一部。市民文化会館海側のかさ上げ地で、敷地面積は約6000平方b。
施設はホテル棟と、大浴場や食堂が入る共用棟で構成される。ホテル棟の施工には、潟TトコウのSSUT(サット)工法を採用。工場で製作したユニット構造体を現場でスピーディーに組み立てるもので、生産性の向上、工期短縮に効果が期待される。
大浴場は温泉を活用する計画で、温泉水は市内の黒崎仙峡温泉から運び入れる方針だ。
スタッフには、フロントや食堂などで20―30人程度を想定している。
橋本店の荻路塁現場所長は「市民の期待に応えるためにも、これまでのノウハウを生かし良いものを作り上げたい」と語っていた。
提供:日刊岩手建設工業新聞