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建設経済新聞社
2024/09/05

【京都】国土利用計画及び土地利用基本計画 中間案を公表、令和7年策定へ

 京都府は4日、国土利用計画及び土地利用基本計画の中間案を明らかにした。パブリックコメントを経て、令和7年1月に策定する予定。
 同計画は、国土利用計画と土地利用基本計画を一本化し、重複する部分を整理するなどし、府民や市町村等にわかりやすい、京都府の土地に係る総合的な基本計画となるもの。令和5年7月に第6次国土利用計画(全国計画)が策定されたことを受け、府の総合計画などとの整合を図るとともに、令和2年を基準年次とし、令和15年を目標年次として設定。
 土地の利用目的に応じた土地の区分ごとの規模の目標は、▽農地(田・畑)=(令和2年)298ku→(令和15年)296ku[転用や荒廃農地の発生を見込み減少]▽森林(国有地・民有林)=(令和2年)3413ku→(令和15年)3413ku[現状維持]▽原野等(旧採草等)=(令和2年)2ku→(令和15年)2ku[現状維持]▽水面・河川・水路等=(令和2年)143ku→(令和15年)143ku[現状維持]▽道路(林道・農道含む)=(令和2年)158ku→(令和15年)166ku[現在計画されている事業等を踏まえ増加]▽住宅地=(令和2年)165ku→(令和15年)169ku[府内の世帯数の増加を想定し増加]▽工業用地=(令和2年)18ku→(令和15年)21ku[今後の工業用地の開発予定地面積を踏まえ増加]▽その他の宅地=(令和2年)75ku→(令和15年)75ku[現状維持]▽その他=(令和2年)340ku→(令和15年)327ku[−]▽合計=(令和2年)4612ku→(令和15年)4612ku[−]。
 新計画における土地利用の基本方針の主な内容は「所有者不明土地対策と空き家対策の連携強化」「カーボンニュートラルの実現に向けた大規模太陽光発電設備や風力発電設備等の再エネ施設の設置に際しては、大規模太陽光発電設備に対する将来の設備廃棄や景観との調和に関する地域の懸念が顕在化していることなども踏まえ、周辺の土地利用状況や自然環境、景観、防災等に特に配慮するなど、地域と共生する形で立地誘導を図る」「災害時のリダンダンシーの確保の観点から、高規格道路におけるミッシングリンクの解消、幹線道路の整備、地域公共交通の維持、河川改修や砂防・急傾斜地における土砂災害対策等を進める」「気候変動に伴う水災害の激甚化・頻発化を踏まえ、流域治水プロジェクトの充実を目指し『治水効果の見える化』を図るとともに、土地本来の災害リスクを基礎として、地域の様々な要素を衡量した上で、災害ハザードエリアにおける開発抑制と中長期的な視点で、より安全な地域に都市機能や居住を誘導する」「改正された宅地造成及び特定盛土規制法が令和5年に施行されたことを踏まえ、新たな規制区域を指定し、盛土等の安全性を確保するなど、府域の防災減災対策の推進を図る」「道路や学校等の公共公益施設の緑化に加え、屋上緑化等民有地の緑化を進め、みどり豊かなうるおいのある都市景観の形成を図るとともに、みどりやオープンスペースの特性を生かした災害に強い街づくりを進める」「がけ崩れ、土石流、地すべり等の危険から住民の生命の安全を確保するため、土砂災害特別警戒区域等の区域内にある既存不適格住宅等に対して一部費用について支援し移転・改修を図る」「自然災害が頻発する中、重要性が再認識されている地籍調査について、本来市町村が主体となるところ、新技術の普及等を目的とし、土砂災害特別警戒区域や浸水想定区域等の緊急性の高い防災区域から京都府が箇所を選定し、ICT等を活用した新たな技術による測量を実施していく」「『2050年カーボンニュートラル宣言』を踏まえ、2030(令和12)年度までに温室効果ガス排出量を2013(平成25)年度と比べ、46%以上削減するなど、ゼロエミッション社会の構築の促進により、京都の豊かさを育む脱炭素で持続可能な社会の実現を目指す」「持続可能なまちづくりを支援し、府内各地にゼロカーボン地域を創出するため、駐車場や既存建築物の屋根をはじめとする利用されていない箇所への太陽光発電設備の導入や、地域資源を活用した小水力発電や木質バイオマス発電などの地域の活性化や災害時の活用の観点からも重要となる多様な再エネの普及促進など、地域の再エネポテンシャルを最大限に活用した地域共生型の再エネ導入促進を図るとともに、営農型太陽光発電等の地域課題の解決や経営支援につながる再エネ導入のモデル地区を支援し、府内各地への展開を図る」「京都産業の強みを生かして、国内外から多くの企業や人材を集める産業創造リーディングゾーンを府内各地に形成し、オープンイノベーションを展開するとともに、若手職人の人材育成によって世界から注目される産地の形成を図るなど、地域の特性を踏まえた土地利用を促進する」「交通利便性の向上による地域産業の立地適性の状況変化を踏まえた地域の持続性確保につながる産業集積の促進を図るため、土地利用の転換や関連する制度を弾力的に活用し、地域の合意形成に基づく積極的な土地利用の最適化を推進していく」「国が設置する文化財修理センター(仮称)と連携し、世界に誇る文化財修復拠点の形成を目指す」「物流の観点から、新たな国土軸である新名神高速道路や京都舞鶴港、高速道路網、鉄道網を最大限生かし、市街地、郊外、山間部それぞれに応じた有効な手法により移動の円滑化・効率化を図り、産業の発展を生み出す道づくりを推進する」「災害が発生しても、生命線である緊急輸送道路や重要物流道路及び代替補完路が寸断されないように整備・強化を図るとともに、被災地の迂回路となる府道の機能強化など、道路整備の推進を図る」など。