県と成田国際空港は4日、第1回「成田空港『エアポートシティ』推進体制準備会議」を成田国際空港本社ビル1階S3、4会議室で開き、エアポートシティの実現に向け、両者が一体となった推進体制の確立について方向性を共有した。今後は、ビジョン・ロードマップ・ゾーニングの素案や空港を核とした地域公共交通ネットワークの構築の計画策定に関して具体的な議論を行い、年度内に推進主体に係る一定の方向性を示し、上部組織の「成田空港に関する四者協議会」に諮る方針。推進主体の体制などについても議論を重ね、調整や意見の反映が完了した段階で推進主体に移行する。
閉会後、冨沢昇・県総合企画部長と片山敏宏・成田国際空港執行役員経営計画部戦略企画室長が記者団の取材に応じた。
冨沢部長は「県と成田国際空港という役割の異なる2者が一つの組織を作ろうとすること自体が大きなチャレンジ。成功に向けて取り組んでいきたい」と決意を語った。
片山室長は「企業立地、交通、住環境などの地域づくりにおいて、県のノウハウは非常に重要。会議を通して連携・連動を深めていきたい」との考えを示した。
準備会議は、エアポートシティのビジョンやゾーニング案の策定、「成田空港周辺の地域づくりに関する『実施プラン』」で掲げる国際的な産業拠点形成、地域公共交通ネットワークの構築など、広域的な調整が必要な取り組みを加速化するため、推進体制の確立に向けて検討するもの。年度内に4回程度の開催を想定している。
実施プランでは、地域の将来像として「空港を核として、都市と田園が調和し、くらしや産業の拠点として選ばれるエアポートシティ」を掲げている。
また、「『新しい成田空港』構想とりまとめ2・0」では、エアポートシティ実現に向け、県と空港会社が中心的役割を担う体制の下、関係自治体と連携し検討していく方向性が示されている。