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日刊建設タイムズ社
2024/09/04

【千葉】施設整備に20年765億円/協議事項全10件を承認/九十九里・南房総事業体と県水統合

 「九十九里地域・南房総地域の水道用水供給事業体と県営水道の統合協議会」の第8回が3日、県庁本庁舎5階特別会議室を本部としてウェブ会議形式で開かれ、水道用水供給事業組織の取り扱い、施設整備計画(事業概要)、財政収支計画など協議事項10件が全会一致で承認された。施設整備計画は統合から20年間を期間とし、総事業費約765億円(前半約413億円、後半約352億円)を算出した。老朽化が進み、耐震性に欠ける施設・設備の計画的な更新などを進めていく。
 老朽化対策のうち、浄水施設に関する事業費は約492億円(九十九里地域約334億円、南房総地域約158億円)。主な工事は▽九十九里地域、前半=光取水場電気設備更新、東金浄水場中央監視制御設備更新、長柄浄水場(U)電気設備更新▽同、後半=長柄浄水場中央監視制御設備更新、長柄浄水場(T)電気設備更新▽南房総地域、前半=大多喜浄水場1系2号沈殿池電気計装設備更新、大多喜浄水場薬品注入棟動力設備更新▽同、後半=大多喜浄水場監視制御設備更新。
 老朽化対策のうち、管路に関する事業費は約113億円。九十九里地域における老朽化した管路20・4kmを更新する。
 耐震化のうち、浄水場施設に関する事業費は約20億円。主な工事は、九十九里地域における東金浄水場1系ろ過池耐震補強、長柄浄水場(T)着水井耐震補強・2系ろ過池耐震補強。
 耐震化のうち管路に関する事業費は約140億円(九十九里地域約110億円、南房総地域約30億円)。九十九里地域の常用管2・1kmと連絡管(非常用管)15・6km、南房総地域の常用管4・4kmの耐震化に取り組む。
 また、水需要の動向および施設の稼働状況などを踏まえるとともに、施設の大規模更新の内容や時期も考慮し、施設の適正規模について検討する。
 財政収支計画を見ると、新用水供給事業における資本的支出の建設改良費は▽2026年度=53億1681万4000円▽27年度=46億8869万円▽28年度=43億3889万1000円▽29年度=49億5201万7000円▽30年度=50億1839万円▽31年度=46億7719万6000円▽32年度=44億705万2000円▽33年度=42億8126万9000円▽34年度=40億9986万8000円▽35年度=41億4406万8000円▽36〜40年度=213億2433万8000円▽41〜45年度=212億7133万1000円――の見通し。
 水道用水供給事業組織の取り扱いについては、新用水供給事業を円滑に運営するため、企業局に「(仮称)用水供給部」を新設。用水供給部には、用水供給事業の総合調整、企画、経営管理などを担う「(仮称)用水供給管理課」および大規模施設の更新や施設の維持・運転管理の総括などを担う「(仮称)用水供給施設課」を設置する。
 また、地域において施設の更新や維持・運転管理などを行うため、「(仮称)九十九里用水供給事務所」と「(仮称)南房総用水供給事務所」を設ける。
 人事、予算、経理などの管理部門は、企業局管理部に集約。詳細な組織体制については統合までに調整する。
 会長の熊谷俊人知事は冒頭、「この統合は、水道用水供給料金の上昇抑制を図りながら水道施設の整備を計画的に実施するものであり、将来にわたって安定的な給水の確保を図る上で大きな意義がある。本日は財政シミュレーションや統合効果を盛り込んだ財政収支計画、老朽化対策・耐震化対策を内容とする施設整備計画の事業概要などについて協議をいただく」と話し、将来を見据えた視点からの理解と判断を求めた。times