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鹿児島建設新聞
2024/09/03

【鹿児島】隈之城川流域「特定都市河川」へ/1000u以上開発等/雨水流出抑制を義務化

 川内川水系隈之城川流域で特定都市河川指定に着手した九州地方整備局川内川河川事務所などは1日、薩摩川内市のSSプラザせんだいで関係団体向けに説明会を開いた。開発業者や建設業者など約30人が参加し、制度の趣旨などの理解を深め、指定後の土地利用規制の考え方について確認した。10月ごろの指定を目指している。

 特定都市河川は、あらゆる関係者が協働して流域全体で行う「流域治水」を進める一つの手法で、協議会を設置し、流域水害対策計画を策定する。河川整備等の事前防災対策を加速化させるため、遊水地や排水機場等のハード整備や水害リスクを踏まえた土地利用規制等の施策などを実施し、被害の軽減に取り組む。
 隈之城川流域では、2020年7月洪水で百次川や勝目川の堤防が決壊し約18haが浸水。被害が住宅以外に大型店舗などにも及んだことがあったほか、近年流域では宅地開発が進んでおり、浸水リスクが増大していることから検討を始めた。県内では鹿児島市の甲突川や新川、稲荷川で指定している。
 指定区域は平佐川、百次川、勝目川、都川、隈之城川、木場谷川の流域約6500ha(いちき串木野市の一部を含む)。指定されることで、宅地等以外で行う1000u以上の土地の締固めや開発などで雨水を浸み込みにくくする行為が県知事の許可が必要となり、調整池や雨水貯留施設の設置などの流出抑制対策が義務付けられる。田畑(耕地)を宅地や太陽光発電施設に、未舗装の原野をローラー等で土地を締め固め資材置場に、舗装して駐車場に舗装(不透水性の材料で覆うこと)するなど、雨水が河川に流れ込む量を増やす行為が対象となる。
 説明会では、同事務所をはじめ、県河川課や同市道路河川課などの担当者が出席。参加者からは、雨水貯留浸透施設を設置した場合の補助制度や1000u程度の宅地開発(4戸程度)をする場合の対策などの質問があった。
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