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建設経済新聞社
2024/09/02

【京都】9月補正に丹後郷土資料館整備推進費 35・7億円の債務負担設定

 京都府の西脇隆俊知事は8月30日、約10億円台の9月補正予算案の概要を発表した。
 教育委員会関連で丹後郷土資料館整備推進費に6000万円規模を計上するとともに、限度額35億7000万円の債務負担行為を設定(期間は令和7〜8年度)。
 宮津市国分の丹後郷土資料館について、丹後地域の歴史文化の探訪・観光の拠点施設となるハブ・ミュージアムを目指し、リニューアルを実施。新たな機能を備えた本館の改修工事および新館の新築工事を行う。
 リニューアルのコンセプトは「地域に受け継がれた『丹後の歴史』と『未来』との融合」。来訪者の流れをエリア全体に広げ、文化・観光・地域経済の好循環につなげ、「ハブ・ミュージアム」として地域活性化の新たな拠点とする。
 施設整備のポイントは、@歴史と重厚感のある本館は存置し、リノベーション(本館(改修)・地下1階地上2階建、延1377u)A新たな機能を備えた新館を新設(▽天橋立を真正面から眺める本館正面に新館を新設▽外観は「丹後の未来が天橋立に向かって広がっていくさま」をイメージ▽国宝・重要文化財も随時公開可能な「公開承認施設」に対応)(新館・地下1階地上3階建、延約1900u)B天橋立を望む「コミュニティラウンジ&ホール」と「カフェテリア」(▽新館2階・3階に設置▽天橋立を「生きたコレクション」として位置付け、キラーコンテンツ化)C「ミュージアム」を実現する展示室等([特別展示室]▽国宝・重要文化財を中心に、考古資料から、工芸、絵画、彫刻、アートなど多様な作品の展示に対応、[多目的室]▽体験学習やワークショップに対応)。
 リニューアルにより、天橋立を一望でき、音楽会やアートイベント、マルシェなどユニークベニュー(特別感や地域特性を演出できる会場)として活用可能な多目的ホールを設置する。
 またリニューアルにあわせて、不足する資料館の外部収蔵施設を旧与謝の海共済住宅の解体跡地に新築する工事を行う。丹後郷土資料館本館の地下収蔵庫と別棟収蔵庫に保管されている木製民俗資料や埋蔵文化財を保管するために計画。旧与謝の海共済住宅(CB造2階建×2棟、延275・72u、敷地面積約620u)を解体し、その跡地に建設する。規模はS造平屋建(準耐火構造)350u以内を想定するが、収蔵庫の一部に2層のメザニン(積層棚)の設置を検討し、構造上設置が可能な場合は床面積50u程度を追加する。
 外部収蔵施設建設は令和7年度まで、本館改修・新館建設は8年度までに完成させ、8年度中のリニューアルオープンを目指す。
 京都府立丹後郷土資料館再整備基本・実施設計等業務は、公募型プロポーザルで石本建築事務所大阪オフィス(大阪市中央区)を選定。令和4年12月に1億0450万円で契約した。
 府立丹後郷土資料館外部収蔵施設新築工事設計業務は、令和6年4月開札でBOFアーキテクツ(京都市下京区)に決定。設計工期は令和6年10月15日まで。
 補正予算案ではこのほか、大阪・関西万博に向けた準備として、植物園アートナイトウォーク事業費に4000万円規模を計上。万博開催期間中に生物多様性をテーマにしたメディアアートを開催するにあたり準備に着手。令和7年度の展示規模の拡大に向けて必要な設備整備を行うとともに、地元商店街と協力し機運醸成を図る。
 補正予算案は9月12日開会予定の9月議会に提出する。