県県土整備部は8月30日、2024年度第1回千葉県道路協議会を県庁中庁舎4階県土整備部会議室(オンライン併用)で開催した。成田空港の機能強化を踏まえた高規格道路ネットワークに関し、千葉側(成田)は東京側(羽田)に比べて都心からの高規格道路の経路選択が少ないことも踏まえ、「空港の機能強化に対応し、都内とのアクセスを考慮した広域道路ネットワーク整備の検討が必要」とした。今後は、基本方針の策定に向け、具体的な検討を行う首都圏空港道路ネットワーク検討分科会を設立し、検討上の課題や整備効果などを明確化していく。
県は、アジア主要空港における空港間競争について紹介し、路線獲得競争の激化に触れ、旅客流動取り込みの「好機」と説明。
さらに、8月26日の第64回国家戦略特別区域諮問会議で岸田文雄内閣総理大臣が「成田空港を核とした国際航空物流拠点機能の強化について、国家プロジェクトとして取り組みを加速していく」と述べ、国家戦略特区制度の活用や関連インフラの整備を含め総合的な支援策を取りまとめるよう、国土交通省をはじめ関係省庁に指示したことを紹介した。
成田空港を取り巻く県内の高規格道路ネットワークとして、開港に合わせて整備された東関東自動車道と新空港自動車道、東京外かく環状道路と空港を最短で結ぶ北千葉道路、全線開通を控える首都圏中央連絡自動車道、概略ルート・構造の検討に着手した新湾岸道路を挙げた。
協議会は、県内における幹線道路の計画・調整および道路施策などに関する検討などを目的として開催するもの。
構成は、県土整備部のほか、関東地方整備局道路部、千葉国道事務所、首都国道事務所、千葉市建設局、千葉市都市局、東日本高速道路関東支社、首都高速道路の部長級職員。
分科会は県土整備部、関東地方整備局、千葉市、東日本高速道路の道路関係部署などの課長級職員で構成する。第1回は、3日午後3時から県土整備会議室(オンライン併用)で行い、首都圏空港の物流・人流と、空港の機能強化に対応した高規格道路ネットワークのあり方を議題とする予定。
なお、成田空港周辺の一般道の整備計画については別途、県、空港周辺9市町、空港会社で成田空港周辺道路検討会を設置して検討を進めている。23日には初会合を行い、富里市内の空港へのアクセス道路などを盛り込んだ「成田空港周辺における道路整備計画(案)」を提示した。
WISENETを/踏まえた議論展開
冒頭、あいさつに立った委員長の四童子隆部長は「首都圏空港である成田空港を抱える県として、新たな交通需要に対応しつつ、深刻な渋滞が生じている空港周辺地域の状況を改善していくため、『WISENET(ワイズネット)2050』を踏まえ、今後の高規格道路ネットワークのあり方について議論する」と話し、忌憚(きたん)の無い意見を求めた。