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日刊岩手建設工業新聞社
2024/08/30

【岩手】国交省の災害査定官が緊急調査 安家玉川線など2路線 台風5号から早期復旧へ

 国土交通省は29日、野田村内の一般県道安家玉川線など、台風5号で被災した県道2路線において災害緊急調査を実施した。同省水管理・国土保全局防災課の小川渉災害査定官らが現地入りし、道路の被害状況を把握。県側に対し、復旧方針や復旧工法などの技術的な助言を行った。県では今後、現地測量などの調査を進めていき、年内に災害査定を受ける予定。同省からの技術的助言を踏まえ、早期の復旧完了を目指す。

 災害緊急調査は、広域にわたる災害や人的被害が発生している場合などの特別な災害において、同省から派遣された災害査定官が現地の被害状況を的確に把握し、被災施設の応急措置や復旧方針の樹立に向けて指導を行うもの。

 当日は、小川災害査定官と吉海宏祐同課改良計画係長が現地の状況を確認した。県側からの説明を受けながら、台風5号で被災した野田村根井地内の県道安家玉川線と、岩泉町安家字松林地内の県道普代小屋瀬線において、災害緊急調査を実施した。
 安家玉川線では、安家川沿いの根井地区(被災延長約340b)、根井の2地区(約150b)、根井の3地区(約20b)の3カ所を含め、全体で約2`区間にわたり被害状況を確認した。普代小屋瀬線では、2カ所の被害状況を調査した。

 小川災害査定官は安家玉川線での緊急調査の後、「16年の災害から復旧した護岸は強固なまま残っており、護岸部分における被害を少なくしていた。道路の高さが少し低い場所もあり、舗装路盤に水が入って浮き上がるような被害が確認された」と分析。
 その上で、「越水しても道路が壊れないようにする工法や、かさ上げによる工法などを検討するよう、県側に助言した。安家川の流下能力を検討しつつ、復旧計画の検討を進めることが必要だ。迂回路が遠いこともあり、一刻も早く復旧させてほしい」と話した。

 県北広域振興局土木部道路整備課の鶴巻武人課長は、「いち早く被害状況を確認していただき、県としても大変ありがたく思う。道路のかさ上げや、アスファルト舗装ではなくコンクリート舗装による工法などを含め、アドバイスをいただいた。しっかりと復旧方針を検討し、早期の復旧を目指したい」と述べ

 県では、国側と調整しながら、年内に災害査定を受ける予定。引き続き同省からの助言を受け、迅速な復旧を図っていく。

提供:日刊岩手建設工業新聞