日本工業経済新聞社(埼玉)
2024/08/29
【埼玉】順天堂大学病院整備 総事業費2186億円を示す
大野元裕知事は27日の定例会見で、さいたま市浦和美園地区に誘致する予定の順天大学付属病院について、7月末に小川秀興理事長から整備計画の見直しが必要との文書が送付されてきたことを明らかにした。
大学側は、新築に向けて2023年12月から実施設計に入っている。実施設計の事業者から、物価などの高騰を主要因として総事業費が上がって約2186億円になることが伝えられたという。合わせて工期も20カ月延びる。
大学側は知事宛ての文書で「コロナ禍後の厳しい経営環境が続く中、財務状況が予断を許さない状況になっており、事業計画の見直しが必要」と示し、理解を求めた。
会見で大野知事は金額について「最初の事業費を聞いていない。また補助の申請がされたこともない」ため、県としては参考程度の取り扱いにする考えを示した。
一方、工期延長については、現行計画で27年11月としている開院の時期に直結する問題になる。 県医療審議会に諮る必要があるため、26日付で知事から理事長へ、速やかに再度の変更申請を提出してほしいと回答の文書を出した。
県側は「何をどう見直したいのか」(知事)を明確に示してもらった上で、今後の対応を検討する考えだ。