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北陸工業新聞社
2024/08/29

【富山】日建連北陸/若手技術者と意見交わす/利賀ダムで金大生が現場見学

 日本建設業連合会北陸支部の市民現場見学会(富山・石川地区)は27日、南砺市利賀村地先で進む利賀ダム建設事業の工事現場で、金沢大学の学生12人を対象に開かれた。
 担い手確保・育成を目的に北陸地方整備局利賀ダム工事事務所の協力を得て実施した。
 はじめに砺波市のとなみ散居村ミュージアムで、若手技術者らとの意見交換会が行われた。利賀ダム工事事務所のほか、大成建設、清水建設、前田建設工業が参加。グループに分かれ、官民双方の仕事について、ざっくばらんに意見を交わした。学生からは、印象深い仕事や現場をはじめ、給料や休日、異動など「働き方」に関する具体的な質問が出ていた。
 その後、南砺市に移動し、利賀ダム展望台では、利賀ダム工事事務所の職員から説明を受けながらダム予定地の一帯を眺めた。続いて「利賀トンネル(1工区)工事」の現場に移り、掘り進めた先端地点まで歩いて見て回った。
 1工区を施工する清水建設の福嶋幸治現場代理人がトンネル坑内を案内し、「工事用道路としてはもちろん、電力を供給する役割もあり、早期の開通が求められる重要な現場。火薬による発破で1日6〜9メートル掘り進み、現在は1350メートルのうち、887メートルまで、率にして約65%進捗した。順調なら12月には掘削を終え、覆工コンクリートを進めていく」と工程を説明した。
 また、金沢大学のOBでもある福嶋氏は、学生時代は橋について勉強、入社後は東京など国内のほか、シンガポールなど海外に赴任したと経歴を紹介し、学生からの質問に「岩の硬さは均一ではなく、隣の工区では岩盤の想定だったが、実際はほとんど土砂で、崩れを抑えながら進める工法をとっている。実際の現場では、様々なことが起こるが、それぞれが技術と根性で工夫しながらがんばっている」と技術者としてのやりがいを話した。
 利賀トンネル(延長4963メートル)は3工区に分けて施工。1工区は最下流側にあたる。

hokuriku