県は、9月11日開会の9月定例議会に上程する補正予算案の概要を28日に発表した。一般会計においては、社会資本の維持・充実を図るため、道路メンテナンス事業8億7000万円、公共土木施設災害復旧事業15億3600万円・債務負担行為3億5100万円、長生の森公園野球場照明設備設置事業600万円・債務負担行為1400万円を措置。
災害時においても緊急輸送道路などの円滑な通行を確保できるよう、橋りょう9か所(うち緊急輸送道路8か所)の老朽化対策として修繕を前倒しで進めるほか、6月の大雨などにより被災した公共土木施設を復旧する。災害復旧事業の24年度分の事業費の内訳は、道路3億6000万円、河川海岸11億4410万円、公園3190万円。
長生の森公園野球場について、さらなる利便性向上を図るため、照明設備の設置に向けた実施設計を行う。完成予定は2027年度。
産業の振興では、輸出力強化に向けた食肉流通のあり方等調査事業に債務負担行為1600万円、食品産業の輸出向けHACCP等対応施設整備事業に7611万9000円を確保。
県産食肉の販路拡大に向け、成田国際空港を活用した輸出可能性を検証するとともに、食肉流通のあり方などを検討するための調査を行う。業務内容は、航空輸送の利点を生かせる需要国と貿易条件などの整理・分析、国内の取り組み事例の調査、県内の食肉流通体制や施設水準の検討など。
県内の食品事業者による加工食品などの輸出促進を図るため、輸出先のニーズに対応した設備・機器などの整備に係る経費を助成する。補助率は2分の1以内。
環境の保全に向け、PFOSおよびPFOAに係る地下水汚染防止対策事業1000万円、持続可能な一般廃棄物処理に係る長期広域化等計画策定事業900万円・債務負担行為3000万円を盛り込んでいる。
地下水汚染の拡大を防止するため、市町村が実施する汚染機構解明調査(諸元調査、地質ボーリング調査など)と汚染除去対策(活性炭処理施設の設置、除去対策効果の確認調査など)に対して支援を行う。補助率は2分の1以内。
人口減少などを踏まえ、プラスチックなどの資源循環や災害対策の強化などの観点から、ごみ処理の広域化と処理施設の集約化のさらなる推進を図るため、50年度までの長期的な計画を策定する。計画内容は、広域化ブロック区割り、人口・ごみ排出量などの将来予測、各ブロックにおける廃棄物処理体制など。
医療・福祉の充実として、特別養護老人ホーム等の開設準備支援等事業11億円を計上。介護現場の生産性向上を図るため、特別養護老人ホームなどの介護施設が大規模修繕に併せて行う介護ロボットやICT設備の導入に対し、引き続き助成を実施する。限度額は、施設定員数に49万6000円を乗じて得た額。
事業の適正な工期の確保や6月の大雨被害などによる工事着手の遅延などを踏まえ、県土整備部による公共河川災害復旧事業ほか2事業14億5300万円に繰越明許費を設定している。
補正により102億2700万円を増額し、現計予算と合わせた総額は2兆1182億2700万円となる。
特別会計上水道事業・工業用水道事業・造成土地管理事業で、企業局本局新庁舎(仮称)整備事業の債務負担行為について、物価高騰を踏まえたインフレスライド条項の適用を受けて増額する一方、地中埋設物の撤去に伴う工程の見直しにより減額を行う。限度額は1億7100万円から8億4800万円に増額。期間は24〜25年度で、変更は無い。
特別会計病院事業では、がんセンター東病棟の改修工事について、資機材の納期長期化などを踏まえた設計の見直しや、資材・労務単価の上昇などに対応するため、24年度の事業費を減額の上、債務負担行為を変更する。債務負担行為の限度額は41億5900万円から50億8400万円に増額。期間は1年延長し、24〜26年度とする。