甲賀広域行政組合消防本部が計画推進する「湖南中央消防署庁舎整備事業」について、複数の候補地の中で岩根地先を有力候補地として移転新築事業を進めていく方向性であることがわかった。今後は市民に対し調査等を継続的に実施しながら、基本計画との整合性を図る模様。
現在の庁舎は、80年(昭和55年)にRC造2階建、延616・93平方bを建設。そこから43年が経過し、全体的な老朽化が進み大規模災害時には防災拠点として十分な機能が不足している。さらに勤務人員増による執務スペースや消防車両の大型化による車庫スペースの狭小化、IT化による機器の増設、予防協議や各種指導等における協議スペース不足が顕在化している状況にある。これらの現状と課題を考えると、災害に強く人と環境に優しい機能的な庁舎の整備が必要になることから、今後改修等を繰り返していくだけでは限界があり早期の建替えが必要という判断に至った。また、過年度に実施した耐震診断では耐震性能の不足、不衛生化も散見されている。その他にも、▽車庫の整備不良▽女性消防職員用施設及び女性来庁者用トイレの整備不良▽訓練施設の整備不良―などが挙げられている。
新たな消防庁舎については、市の南北方向へのアクセスが容易な位置への移転を理想として▽十分な耐震・耐火性能を備えた施設▽女性消防職員の職域拡大と活躍推進の実現▽業務効率を考慮した機能性と実践的で効果的な訓練が可能な施設の整備▽一般市民への開放性及びユニバーサルデザインの積極的採用▽省エネルギー設計によるエコロジカルな設備の推進▽各種感染症等に対応した衛生管理体制の強化―を念頭に整備の実現に向けた検討を進めていく方針。
提供:滋賀産業新聞