横浜市建築局は、市営住宅としての用途を廃止する瀬ケ崎住宅(金沢区)の敷地・面積約2700平方bを公募売却する方針で検討を進めている。建物付きか更地にするかなど、売却に伴う諸条件を整理した上で、2025年度に方向性を確定する予定だ。
瀬ケ崎住宅の敷地面積は2707平方b。1965年に完成した鉄筋コンクリート造5階建てと4階建ての住棟2棟が立地。総延べ床面積は2164平方b、住戸数は56戸となっている。
現地の用途地域は第1種中高層住居専用地域(容積率150%、建ぺい率60%)。第3種高度地区と準防火地域にも指定されている。
金沢区内にある市営住宅のうち、法定耐用年数を迎えていないものの、浴室がないなど居住性能が著しく低い六浦住宅(六浦5ノ9)と近傍に位置する瀬戸橋住宅(洲崎3ノ1)を建て替えて、瀬ケ崎住宅(六浦東1ノ25)を廃止する計画。六浦住宅と瀬戸橋住宅の住戸数を増やし、既存3住宅を合計した規模を維持する。
瀬ケ崎住宅の敷地については、市の他事業で利用する意向が無かったため、公募売却の方向で検討することにした。
当初の計画では、新たな六浦住宅が完成した後の2028年度に売却を予定していたが、先行して10月ごろ完成する瀬戸橋住宅へ住み替えを希望する世帯が想定よりも多かった。このため、瀬戸橋住宅が完成した時点で瀬ケ崎住宅の全入居者に住み替え、または仮移転をしてもらう方針に転換。瀬ケ崎住宅の廃止と敷地売却時期を前倒しすることになった。
=物価高騰などで事業費増=
これら3住宅の建て替えと用途廃止について8月26日の公共事業評価委員会で再評価し、「事業継続が妥当」との判断を受けた。
当日は、それぞれの住宅の事業進捗や事業採択時からの変更点などを建築局が報告。
採択時の19年度と比べ、総事業費を約54億円から約70億5000万円へと増額した。内訳は、瀬戸橋住宅が33億円から44億円、六浦住宅が20億円から25億円、瀬ケ崎住宅が1億円から1億5000万円へとそれぞれ変更。環境への配慮や防災への対応が必要となったことや、物価上昇、週休2日制の導入などに掛かる経費を考慮した。
提供:建通新聞社