由利本荘市はこのほど、7月に発生した豪雨災害復旧費として19日付の専決処分で42億6,189万8,000円を確保、9月補正予算案に100億3,969万3,000円を計上した。農業用施設で1,456カ所、治山・林業施設・林道で265カ所、市道66路線などで発生した被害を復旧する。今後、測量設計を随意契約し、農業用施設や林道などは10月めどに災害査定、11月から随時、復旧工事を公告する。公共土木施設は査定時期や測量設計の委託時期などを検討している。
専決処分の内訳は、農地農業用施設14億699万8,000円、林業施設・林道4,600万円、公共土木施設28億890万円。補正予算案の内訳は治山5,404万円、林道4億3,769万1,000円、農地農業用施設50億9,427万3,000円、公共土木施設44億5,368万9,000円。
農地農業用施設では、市内全域で農道・畦畔崩壊や土砂などによる用水路閉塞、揚水機の故障などで1,456カ所(8月16日時点)の被災箇所が確認されている。特に被害が大きかったのは、24日からの大雨で泥水に浸水した市内27カ所の揚水機で、更新が必要な状態となっている。
治山と林業施設・林道では、265カ所(8月16日時点)が被災。治山では住宅裏の土砂崩れ箇所などで、土砂撤去や土のう設置など応急処置を実施し、本復旧を県が実施する。林道数路線では、由利、西目地域を中心に路肩崩落などの被害が報告されており、本復旧に向けて測量設計や災害査定を進める。農業・林業施設等の測量調査設計は由利本荘測量設計業協会や由利本荘市建設コンサルタント協会のほか、秋田県土地改良事業団体連合会と秋田県林業コンサルタントに随意契約する。
公共土木施設では、市道66路線、中沢川や土場沢川などの河川が被災(8月16日時点)。道路では東由利(17路線)、由利(21路線)、鳥海(12路線)の地域の被災が多い。河川は現在、被災箇所の確認作業中で取りまとめの終了後、由利本荘測量設計業協会や由利本荘市建設コンサルタント協会に測量設計を随意契約する。
また、現在も被害確認作業が続いているため、被災箇所数や予算内訳の一部が変動する可能性や追加計上の可能性がある。
提供/秋田建設工業新聞