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日刊岩手建設工業新聞社
2024/08/22

【岩手】奥州市 新医療センター 11月にも最終案決定へ 整備手法にECI方式

 奥州市は、新医療センター整備基本計画の中間案をまとめた。中間案は、全体基本計画、病院施設の基本計画、コミュニティ施設の基本計画の3部構成。建物は、病院分8000平方b程度、コミュニティ施設分2800平方b程度を基本とし、水沢公園陸上競技場を整備場所とする。整備手法にはECI方式を採用、概算事業費は最大96・0億円を見込む。今後、9月に市民説明会を開き、10月に修正案によりパブリックコメントを実施。意見反映の上、11月にも最終案を庁議で決定する予定でいる。

 中間案の主な内容を見ると、病院施設について病床数を一般病床80床、感染症4床の計84床の規模とするものの、余裕を持たせ一般病床は100床程度のスペースを確保する。外来は1日250人程度で、将来の拡張などにも配慮する。

 コミュニティ施設は、医療・保健・福祉が連携した市民サービス提供のため、病院施設に隣接して整備。このことから、両施設を一棟建てとし、両施設の間に共用部を挟む。駐車場は、病院分150台、コミュニティ分60台を確保する。

 病院の診療科は、内科や小児科、外科など総合水沢病院の診療科を引き継ぎつつ、総合診療科とリハビリテーション科を新設する。加えて、心療内科などの専門外来を実施予定。産婦人科は、入院・分娩対応は困難で、将来的な検診、思春期外来、産後ケア外来などを実施できるよう、診療科として開設できるスペースを病院施設内に確保する。

 整備手法に採用するECI方式では、実施設計に入る前にプロポーザルで施工業者を選定する。実施設計段階から施工業者が関与することで、施工業者の強みを生かしつつ、設計業者が他の部分で工法等調整の妥当性判断が容易として、採用したいとしている。

 整備スケジュールは、今年度で基本計画をまとめ、25年度には設計者を選定し、基本設計を進める。26年度には施工者を選定し、実施設計に入っていく。27年度から施工に入り、29年度の開院を目指すとしている。

 このほか、中間案には新施設の機能詳細、病棟部門や外来部門、手術部門、放射線部門など16部門ごとに、各部門の基本方針を提示。経営の基本姿勢や水沢病院の赤字脱却、医師等の確保、市立医療施設の最適化の考え方なども示している。

 中間案は、市民団体の代表らで組織する検討懇話会、医療・介護関係者で組織する地域医療懇話会で出された意見なども踏まえて取りまとめた。市民説明会やパブリックコメントを経て、11月にも最終案を決定していく流れとなっているが、計画策定は結論を急がずに進めたいとしている。

提供:日刊岩手建設工業新聞