トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(神奈川)
2024/08/21

【神奈川】横浜市 脱炭素宣言で加点評価・規制緩和も

 横浜市は、「脱炭素取組宣言制度」を創設した。2027年に開催する「GREEN×EXPO2027」に向け、市内中小企業を中心に脱炭素化への意識や意欲を高めてもらう狙い。総合評価落札方式での加点や、脱炭素化に寄与する建築物を整備する際に規制緩和を受けられる仕組みとも連動する考え。総合評価については24年度内、規制緩和について秋にも詳細を公表する予定だ。
 同制度は、脱炭素化に取り組むことを市のウェブサイト上で宣言するもの。具体的には▽こまめな消灯など身近な省エネ行動▽公共交通機関の積極的な利用▽LEDなど高効率照明への切り替え▽専門家による省エネ診断の受診▽生産設備の稼働時間や運用方法の改善―といった項目について、すでに行っている・今後実施する予定の取り組みを事業者が記載する。内容の基準や達成目標などは設けない。
 対象は、市内で事業活動を営む企業または個人事業者。事務所単位や、市内に事業所がある市内企業の宣言も受け付ける。
 宣言した事業者には、自社のPRに利用可能な「宣言書」や「ロゴマーク」を即時発行する。省エネ診断の受診費用や設備投資の補助も受けられる。
 今後は、総合評価落札方式の入札で加点対象とする方針。評価項目や加点点数などは検討段階だという。また、脱炭素化に寄与する建築物を整備する際に規制緩和を設ける施策の導入を検討しており、宣言事業者にも周知する。
 脱炭素社会の実現に向けては、市内企業の99・6%を占める中小企業の取り組みが重要となっている。一方、市が23年度に実施した調査によると、脱炭素化に取り組む中小企業の割合は約40%にとどまっている状況。環境への負荷低減だけでなく、事業者にとっては光熱水費などのコスト削減、企業価値の向上による取引先拡大・人材確保など、経営改善につながることから、同制度を契機として意識の醸成と行動変容を後押しする。

提供:建通新聞社