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建通新聞社
2024/08/21

【大阪】府 都市基盤施設長寿命化へ中間取りまとめ

 大阪府は8月9日に開いた都市基盤施設維持管理技術審議会で、次期都市基盤施設長寿命化計画の中間取りまとめの内容を確認した。持続可能な維持管理の仕組みづくりに向け、「大阪府維持管理データベースシステム」の有効活用や、土木事務所単位で民間事業者への包括的管理委託を試行導入することなどを検討する。
 5月に取りまとめた全体の取り組み方針に基づき、具体的な取り組み内容について議論。効率的・効果的な維持管理の推進や持続可能な維持管理の仕組みづくりに向け、基本方針に反映する内容をまとめた。最終取りまとめを11月下旬の全体検討部会で行い、2025年1月中旬に答申する。
 持続可能な維持管理の仕組みづくりでは、▽データ蓄積・管理体制の確立▽インフラDXの推進▽新技術の実装▽人材育成▽地域連携プラットフォーム▽維持管理業務の改善―を基本方針に反映する。
 このうち、データ蓄積・管理体制の確立では、府が運用する維持管理データベースのさらなる活用を図る。データ未入力や府内市町村の利用率が低いことから、竣工検査でデータ入力を必須にするなど管理運用面を強化する他、市町村も使用しやすいシステムへの改修を検討する。
 また、インフラDXの推進では技術レベルを確保しつつ、省力化・効率化を目的に新技術を活用することで、府職員の業務負荷の軽減を図る。道路施設では車載カメラによる区画線調査を行った他、河川施設では施設点検時でのドローンの活用が挙げられた。
 新技術の実装では、大学や研究機関との情報共有を行い、ニーズ・シーズの提案機会の拡大を進める。新技術の効果検証を行う際には、メンテナンスサイクル全体の効率化やインフラの安全性・信頼性の向上の有無の効果が評価できるよう、評価方法の検討も行う。
 人材育成では、これまでの専門技術研修の充実・改善を継続しつつ、外部研修などを活用し技術力の向上を図る。設計・施工から点検・補修、更新計画の検討までのライフサイクルを理解した上で、施設管理をマネジメントできる維持管理技術の習得に向けた人材育成を行う。
 府内の各土木事務所に設置している地域維持管理連携プラットフォームでは、大学や市町村と連携し、維持管理に関する情報やノウハウの共有、人材育成、技術連携の充実・強化を図る。また、地域特性に合った維持管理業務の広域連携や他分野連携といった効率的・効果的なマネジメント手法を検討するとともに、技術力継承のため府都市整備推進センターなど技術補完者を活用した人材育成を行う。
 維持管理業務の改善では、土木事務所単位での包括的民間委託の試行導入などを行う。土木事務所での包括管理委託は、池田土木事務所管内の道路保守・清掃業務で、17年度から試行している。今後、同事務所での実績を踏まえ、業務範囲や要求水準などを各事務所で検討するとしている。
 また、23年度末から泉州地域の12市町での地域インフラ群再生戦略マネジメント(群マネ)の検討を始めたことから、24年度から鳳土木事務所管内と岸和田土木事務所管内の2グループに分け、群マネ実施に向けた計画策定検討を行っている。
 この他、効率的・効果的な維持管理の推進に向け、蓄積した点検データや社会的影響度の内容などを基に▽点検データのさらなる活用▽目標管理水準の最適化▽重点化指標の見直し▽更新の考え方・更新フローの充実―を基本方針に盛り込む。

提供:建通新聞社