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建設経済新聞社
2024/08/06

【京都】二条城二之丸御殿保存修理基本計画 プロポで竹中工務店に決まる 白書院など屋根葺替・半解体修理

 京都市文化市民局はこのほど、公募型プロポーザルの「国宝(建造物)二条城二之丸御殿保存修理等基本計画策定業務委託」について、竹中工務店京都支店(京都市中京区)を受託候補者に選定したことを明らかにした。
 プロポ参加は、竹中工務店京都支店、清水建設関西支店の2者。評価点が87・8点(100点満点)で最も高かった竹中工務店京都支店を選定した。
 業務内容は、@調査及び諸条件の整理(▽概況調査▽法的条件、行政手続きの整理▽破損調査▽耐震診断計画に係る構造調査)A工事計画(▽工区・工期▽付帯工事▽共通仮設▽直接仮設工事▽工事車両経路▽障壁画の修理保管所▽樹木・植栽の移植・復旧▽工事発注方式(通常発注方式、PFI、デザインビルド方式等を比較し、適切な発注方式を検討)▽事業スケジュール▽概算事業費)B耐震診断計画(▽軸組図の作成▽耐震基礎診断▽耐震性能の向上措置)C公開活用計画(▽観覧▽設備)D防犯防災計画(▽強電設備の通電分界点の整理と通電時間の管理方法▽自動火災報知設備▽消火設備(屋外消火栓、屋内消火栓、スプリンクラー、放水銃、ドレンチャー等)▽監視カメラ設備▽機械警備設備(赤外線センサー等)等)E環境保全計画(▽獣害対策▽外部保護柵▽樹木(庭園)▽雨水排水等)。
 履行期間は令和7年8月31日まで。
 委託料上限額は7995万円(税込)。
 担当は京都市文化市民局元離宮二条城事務所保存整備係。
      ◇      
 国宝二条城二之丸御殿(遠侍及び車寄、式台、大広間、蘇鉄之間、黒書院、白書院)について、保存修理事業を計画。令和6〜7年度に基本計画を策定する。
 対象6棟は、遠侍が入母屋造、本瓦葺、車寄が入母屋造、檜皮葺(平面積1123・75u)、式台が入母屋造、本瓦葺(平面積332・05u)、大広間が入母屋造、本瓦葺(平面積784・28u)、蘇鉄之間が入母屋造、本瓦葺(平面積105・04u)、黒書院(小広間)が入母屋造、本瓦葺(平面積569・32u)、白書院(御座之間)が入母屋造、本瓦葺(平面積298・22u)(附属之間、入母屋造、本瓦葺、黒書院・白書院渡廊、両下造、本瓦葺)。
 保存修理工事は、現時点では屋根葺替/半解体修理とし、第1期に白書院(1棟)、第2期に黒書院・蘇鉄之間(2棟)、第3期に大広間・式台・遠侍及び車寄(3棟)の3つの区分とすることを想定している。文化財の価値を守り、観覧者の安全・安心を確保するための耐震補強も行う。
 保存修理工事に伴い建て替える建築物は、▽二之丸御殿団体用入口・廊下▽警備ボックス(二之丸御殿)▽二之丸御殿車寄倉庫▽白書院渡廊下スロープ等を予定。
 今後は令和6〜7年度の基本計画の策定後、7年度に元離宮二条城国宝・重要文化財(建造物)保存活用計画の見直しを行い、7〜8年度に第1期工事基本設計及び実施設計を進め、9年度に第1期に工事着手する予定。