大阪府の都市計画審議会が8月2日に開かれ、複合ビル「大阪マルビル」の建て替えに向け、計画地(梅田1丁目中央地区)の面積約0・5fを都市再生特別地区に追加する都市計画変更案を承認。高さの最高限度を192b、容積率を2000%に緩和した。新築する大阪マルビルは、円筒型の外観デザインを踏襲し、高さは旧ビルの約1・5倍の192b程度となる見通しだ。
現在解体中の大阪マルビル跡地は、大阪・関西万博の開催期間中、シャトルバスターミナルとして活用する計画。2025年10月以降にターミナルの解体工事を行った上で、新築工事に着手する。30年春の完成を予定している。
新築するマルビルは、低層階に円形のコンサートホール、中層階に国際的なイノベーション拠点を整備。高層階はラグジュアリーホテル、最上階は先端技術を取り入れたミュージアムとする計画だ。
地下2階から地上3階までは吹き抜け構造とし、地下から地上のにぎわいを連続させる立体結節空間を備えた回遊性の高い歩行者空間を形成する。地下2階部分は北側と東側で地下街と接続する。南側には延長約80bの地下連絡通路を整備し、大阪メトロ西梅田駅に新設予定の改札口との動線を確保する。
地上部の歩行者空間整備では、計画地東側の支線第1号線の車道を2車線から1車線に再編し、マルビルに隣接する歩道を現在の6bから9bに拡幅。敷地内(北側)は、面積700平方bの多目的広場を整備する。
防災・環境面への配慮として、建物や歩行者空間などの緑化、木材利用、高効率な機器の採用などに加え、備蓄倉庫、非常用発電設備を設置する。また、災害時には1階を一時避難場所、地下2階を退避施設とし、帰宅困難者を受け入れる。
大阪マルビル(大阪市北区梅田1ノ9ノ20)と大和ハウス工業(大阪市北区梅田3ノ3ノ5)は、22年5月に建て替え計画を決めた。
都市計画審議会では、大阪都市計画都市再生特別地区の変更(梅田1丁目中央地区の追加)、大阪都市計画都市高速鉄道の変更(仮称・森之宮新駅の追加など)、東部大阪都市計画区域区分の変更(村野駅西地区、茄子作地区)、南部大阪都市計画区域区分の変更(山直東地区)、北部大阪都市計画道路の変更(茨木寝屋川線)の計5案について審議し、いずれも承認した。
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