神奈川労働局は、2024年上半期の労働災害発生状況をまとめ、県内建設業の死者、休業4日以上の労働災害がいずれも減少していることが分かった。死傷災害は286人と前年同期の307人から7%減少。このうち死者は2人と同時期の6人から大きく改善している。神奈川労働局では、「昨年は労働災害が多かったので、その比較だけでいい状況とは言えない。7月に死亡事故が発生しており、気を抜けない状況が続く」と話す。
24年上半期の建設業の労働災害で型別発生状況を見ると、最も多いのが「墜落・転落」の80件。この他、「挟まれ・巻き込まれ」の46件、「転倒」の34件、「飛来・落下」の25件、「切れ・こすれ」と「追突され」の20件が続く。
建設業の労働災害は長期的に見て低下傾向にあり、22年には死傷者数が年間702人と最小を記録したが、23年には一転して774人と1割増加。死者も22年の9人から16人とほぼ倍増した。
24年上半期の労働災害は、陸上貨物運輸、製造業、小売り、社会福祉施設など他の業種ではいずれも増加しており、減少したのは建設業のみ。建設業は、減少傾向にあった以前のペースに戻ったように見えるが、事故発生数が多い7月、8月、10月の集計を控え、今後の推移には注意が必要だ。
〈夏季の熱中症に注意〉
6月時点のまとめでは、熱中症による労働災害は1件しか報告されていない。ただ、建設業の熱中症災害は増えており、22年に11件、23年に18件発生。22年には1人が死亡している。
同局では「7月に入って記録的な猛暑が続いており、昨年よりも熱中症による事故は多くなるイメージだ」と警戒を強めている。
提供:建通新聞社