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日本工業経済新聞社(埼玉)
2024/08/01

【埼玉】コンクリート非破壊調査協会が総会 建設DXで生産性向上を

 コンクリート非破壊調査協会(中田康祐代表理事)は、さいたま市内の東天紅JACK大宮店で2024年度定期総会を開き、決算報告書や予算書を議案通りに承認した後、任期満了に伴う役員改選を行い、最初に理事・監事を承認し、その後の互選で中田代表理事の再任を決めた。総会後には、埼玉県が進める建設分野のDXの取り組みについての講習会を開きスキルアップを図った。さらに牧原秀樹衆議院議員(代理出席)をはじめ来賓や協力企業を招いた懇親会を開催した。
 中田代表理事はあいさつで、元日に発生した能登半島地震について「地震に耐えられる建物や道路、河川の構造物などのコンクリートは、常に整備され、健康でなければならない。まさにコンクリートは生き物。健康な状態を保ち、長きにわたって活躍するためには、定期的に専門家の調査を受け、適切な補修を行うことが大切。当協会のインフラ整備に向けた調査業務の取り組みを推進し、活気あふれる業界へと変貌を遂げる年度となるよう全力で取り組んでいきたい」と決意を新たにした。
 定期総会後の講習会では、埼玉県県土整備部県土整備政策課建設DX推進担当の永田亘主幹を講師に招き、埼玉県が進める建設分野のDXの取り組みについて講習会が行われた。講演に先立ち中田代表理事は「今年度の講習会は、建設DXへの取り組みをテーマとし、埼玉県県土整備部県土整備政策課建設DX推進担当の永田亘主幹にお越しいただき、埼玉県が進める建設分野のDXの取り組みについてお話をいただく。これまでのIT化やデジタル化は、DXを実現するための手段で、DXの前段階に相当する。DXへの取り組みは、企業が市場の変化に対応しつつ、デジタル技術の導入により新たな価値・体験を提供することを目指しており、また、そのために行われる社内改革も含まれると考えている。このDXの講習会を受講することで、皆さまの会社がビジネス環境の厳しい変化に対応するために、デジタル技術を活用し業務、組織、プロセス、企業文化や風土を変革し、新たなデジタル時代にも十分勝ち残れる機会となれば」と期待した。
 永田主幹は「県では建設DX推進に取り組んでいる。まだ経験されたことのない企業もあると思うが、そうした企業に広めていくこともわれわれの活動の1つ。皆さまも会社に持ち帰り、広げていってほしい」と呼び掛けた。県は2021年3月に埼玉県デジタルトランスフォーメーション推進計画を策定し、デジタル技術を活用したさまざまな取り組みを進めてきた。今年4月には、第2期計画をスタートした。建設分野でも16年度から国土交通省のi-Constructionが始まり、建設生産プロセス全体でデジタルデータを活用した変革が進められてきたが、さらなる生産性向上に取り組むために今年4月にはi-Construction 2.0がまとめられた。永田主幹は「今年度から建設業界でも時間外労働の罰則付き上限規制が適用されており、働き方改革、担い手確保育成、生産性向上の取り組みは受発注者が早急に取り組んでいかなければならない共通の課題だと思っている。皆さまの働き方改革の取り組みの参考にしてほしい」と述べ、県や国の取り組みを紹介した。
 続いて、国土交通省関東技術事務所の構内にある建設技術展示館では、レーザースキャナー、BIM/CIM、トータルステーション、VRといったDX技術を楽しみながら学ぶことができるDXパークについて事務局より情報提供された。
 懇親会では、衆議院議員の牧原秀樹氏がビデオメッセージで祝意を寄せ、公設秘書の細田孝子氏があいさつした。元県議会議員で協会顧問の竹内弘文氏も会場に駆け付け、今後の協会活動に期待を寄せた。
 コンクリート非破壊調査協会は、コンクリート構造物の主に外壁の劣化損傷を最新の技術を用いて調査、診断する事業者らで構成。こうした会員の活動を支援し、安全なまちづくりとコンクリート構造物の管理・修繕および老朽化対策や防災対策に大きな役割を果たしている。
 本年度から2カ年の役員等は次の通り(敬称略)。
▽代表理事=中田康祐(アタル開発)
▽理事=神田晋(浦和測量設計)、新井徹郎(彩都コンサルタント)
▽監事=小山祥史(埼玉測量設計)
▽事務局=藤田一已
▽顧問=竹内弘文(元県議会議員)


提供:埼玉建設新聞