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北陸工業新聞社
2024/08/02

【富山】震災支援、総力を挙げて対応/佐藤工業北陸支店長川島康広氏/北陸地域の活性化に貢献

 今年の元旦に発生した能登半島地震では、石川をはじめ、富山や新潟の一部地域で甚大な被害をもたらした。富山県発祥企業で富山市に本店、北陸支店を構える佐藤工業では、国土交通省からの要請を受けた日本建設業連合会を通じて、発災直後から河道閉塞や道路啓開の現場で懸命な緊急復旧工事にあたった。支店長就任からまもなく3年を迎える佐藤工業の川島康広常務執行役員北陸支店長に、支店運営の手応えや能登半島地震の対応状況を伺った。
−北陸支店長就任からまもなく3年が経ちます。受注面を含めて支店運営の手応えをお聞かせ下さい。
 発祥の地富山でステークホルダーとの良好な関係を構築・維持することに努めてきた。管轄する富山、石川、福井、新潟、長野の5県での受注環境については、北陸新幹線の工事が一段落しているが、おかげ様でこの3年間の受注は堅実に伸びてきている。今後は、2050年カーボンニュートラル実現に向けた取組みや持続可能な社会を形成するためのインフラ整備に注力し、北陸地域の活性化に貢献したい。
−能登半島地震の発災からこれまでの対応状況をお願いします。
 発災当日の1日に、現地対策本部を北陸支店に設置。被災状況の情報収集にあたるとともに、本社災害対策本部と逐次連絡を取り、全国より技術者が集結し、現在も復旧活動が続いている。本店社屋も液状化の影響を受け、エントランスや駐車場が被災している中、お客様の被害把握を第一優先に人員を割いた。2日からは現地に技術者を送り対策にあたっている。1月当初の道路啓開乗込み直後に珠洲市に宿舎を構え、2月には穴水町に拠点を作り、宿舎・作業環境を整え、現在に至っている。
−日建連を通じて実施した復旧活動は。
 河道閉塞現場では、崩落土砂および倒木により、約100メートルに渡り河道が閉塞され、河川の水位が上昇したことから、迅速に堆積土砂を除去して、早期に水位を低下させる対応が求められた。堆積土砂を除去する際には、再び土砂崩壊の危険性もあったことから、崩落個所を360度カメラの常設による映像監視および傾斜管理システムによる遠隔監視を実施し、安全に留意しながら、河道の流路を確保した。
 道路啓開現場では、孤立されている集落までの迅速な啓開作業が求められた。土砂崩落個所では、国土交通省が有する崩落個所の情報と、当社が行ったドローンによる崩落個所データの共有により、現場対応が迅速かつ正確に判断されたことから、早期の道路啓開完了に結びついた。
 いずれの作業も地域住民の方から「感謝します」「頑張ってください」と温かい励ましの言葉を頂き、厳しい環境下ではあるが高いモチベーションが保たれている。
−今後の復旧・復興支援活動について。
 富山発祥の佐藤工業が、隣県で発生した能登半島地震により被災を受けた方々の笑顔を取り戻せるよう、最大限の支援をするのは当然の使命であると意識している。今後も本社と連携しながら、総力を挙げて対応していきたい。

hokuriku