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建通新聞社四国
2024/08/02

【愛媛】松山城城山土砂災害対策技術検討委が初会合 

 松山市緑町土砂災害対策技術検討委員会は7月29日、愛媛県庁で初会合を開き、7月12日に松山市緑町で発生した松山城城山の土砂災害の発生メカニズムの解明や再発防止策の検討を開始した。現地調査も同日行い、崩壊斜面の上・下部で被災状況を確認した。委員会では今後4回ほど会合を重ね、最終取りまとめを行う。
 同委員会は行政関係者(国土交通省、県、市)と学識者(愛媛大学)の委員11人で構成。冒頭、県土木部の吉良美知宏部長が「専門的な知識や客観的な事実を基に、フラットな立場できたんのない議論を重ね、土砂災害の発生メカニズムの分析などに加えて、城山全体の強化を検討していただけるよう、期待している。一日も早い住民の皆さんの安全安心を目指したい」とあいさつ。委員長に愛媛大学工学部の森脇亮教授を選んだ。
 議事では県と市それぞれの立場から被害状況を説明。県はこれまでの調査で3回にわたって水平約250b、斜長約300bが崩壊したと報告。崩壊斜面は降雨が集中しやすい谷地形で、頭頂部では緊急車両用道路の災害復旧工事の準備が行われていたなどと説明。また崩壊斜面の側面など3カ所でパイピングホールと呼ばれる水みちを確認し、中腹部には透明な水も確認できたとした。
 一方、市は緊急車両用道路でのこれまでの対応について説明。2018年3月の供用までに擁壁の軽微な傾きの確認、18年7月豪雨で舗装面にひび割れが生じた際の充填材注入、23年7月大雨の際の路肩法面部崩壊や災害復旧工事に向けた手続き、被災前の今年7月2〜9日のブルーシートでの応急対策などを報告した。
 続いて現地確認を行い、今後の対応などを協議した。森脇委員長は「検討は始まったばかり、協議のポイントはさまざまで土砂崩壊のメカニズムや対策の検討にはさらなる情報収集が必要」とした上で「愛媛大学でも専門教員による調査グループで調査を行っており、委員会にも情報を提供したい。年内にはある程度の結論を導きたい」などと話した。

提供:建通新聞社