厚生労働省香川労働局は、時間外労働の罰則付き上限規制が4月から適用された建設業の長時間労働削減を進めるための施策を話し合う「香川建設業関係労働時間削減推進協議会」を7月26日に高松市内で開いた。長時間労働を減らすには適正な工期設定が必要であり、国などの立場から民間の工事発注企業に指導する方針が示された。
会議では出席者から「民間の発注者は、工期を長くすることが利益に反する面もあり、適正な工期の確保が難しい場合がある。行政から指導、啓発してもらえないか」という要望があった。香川労働局は、8月6日にマンションデベロッパーやインフラ系企業、道路会社などに対し、建設業の長時間労働防止に向けた取り組みに関する要請を国土交通省四国地方整備局とともに行う旨を説明した。
建設業の働き方改革には公共工事だけでなく民間工事にも適正な工期設定が必要なため、今回から会議の構成員として四国地方整備局や香川県、香川県建設業協会に加え、新たに香川県経営者協会や香川県商工会議所連合会を追加。建設工事を発注する企業の対応についても意見交換を行った。
会議では工事を発注する民間企業の声として「働き方改革のため、空調服について単価を認める企業もある」などと紹介した。さらに、「週休2日よりも週2日閉所≠ニしたほうが、週2日は工事をせずに休むということがより市町村や民間企業などの発注者側に強く伝わるのではないか」という意見もあった。
また同局は、9月から2025年1月の間に、時間外労働の上限規制などについての説明会を県内各地やオンラインで合計5回開くことも示した。主にゼネコンや専門工事業者などを対象にしているが、誰でも参加できるという。
労務管理の基礎など、基本的な内容から解説する説明会は9月〜25年1月に対面方式で合計4回行い、より具体的な内容の説明会はオンライン形式で11月に1回開く。
対面方式の説明会では、労務管理の基礎や、時間外労働上限規制に関する基本的な内容を、オンライン方式の説明会では建設業の災害対応時の時間外労働上限規制例外規定や建設業法の改正、工期の適正化などについて解説する。
両方に共通して、助成金の活用例、優越的地位の乱用などについて説明する。
提供:建通新聞社