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建設経済新聞社
2024/08/01

【京都】山陰近畿自動車道(網野〜久美浜)ルート帯案 専用道路2案と一部現道活用案 計画検討委員会に示す

 京都府は7月30日、山陰近畿自動車道の京都府域の網野〜久美浜間のルート帯案について、自動車専用道路整備案2案と一部現道活用案1案の計3案を計画検討委員会に示した。
 山陰近畿自動車道(網野〜久美浜)計画検討委員会は、同区間の概略計画(概ねのルート帯の位置や主な道路構造等)及び詳細計画(事業実施の前提となる都市計画立案に向け、より幅の狭いルート帯の位置や道路構造等)を決定するにあたり、多角的・専門的な視点から意見を聴取することを目的に設置。今年3月に初会合を開いた。
 7月30日開催の第2回検討委で示した3案の主な特徴をみると、第1案(自動車専用道路整備案(Aルート))は「主要拠点である網野市街地、観光拠点、久美浜市街地とのアクセスに配慮したルート」「延長は約16〜19q(構造物延長は約10〜12q)」「公立豊岡病院のカバー圏域が拡大し、沿線地域の救急医療活動が改善する。30分以内での搬送可能人口は3案中、最も多い」「京丹後市の生活圏が拡大し、沿線地域の通勤・通学、通院、買い物等の「利便性が向上する。60分以内での交流可能人口は3案中、最も多い「高速道路へのアクセス所要時間が短縮し、物流の効率化や生産性の向上が期待できる。永留・谷工業団地からの近接性は、第2案には劣る」「水産拠点間の速達性・定時性が高まり、販路拡大などの効果が期待できる。主要漁港から舞鶴港への輸送短縮時間は、最も大きい」「高速道路へのアクセス所要時間が短縮し、経済活動の活発化や交流人口の「増加が期待できる。市街地からの近接性は最も高い」「高速道路へのアクセス所要時間が短縮し、観光入込客数の増加が期待できる。夕日ヶ浦温泉からの近接性は最も高い」「クルーズ船から観光拠点への速達性・定時性が高まり、観光振興の促進が期待できる。舞鶴港から夕日ヶ浦温泉への移動短縮時間は最も大きい」「観光資源を活かすネットワークが強化され、観光拠点間における周遊性の向上が期待できる。鳥取砂丘から夕日ヶ浦温泉への速達性・定時性は最も高い」「新たな別線整備であるため、能登半島地震の教訓を踏まえたルート計画が可能。交通アクセスが限られる沿岸地域の復旧支援の迅速性が期待できる」「新たな別線整備であるため、国道178号の代替路としての機能が確保できる」「地域交通と通過交通が分離されるため、交通事故の縮減が期待できる。別線整備を行うため、縮減量は最も大きい」「新たな別線整備であるため、交通の安全性、快適性などが向上するとともに、線形不良箇所を回避できるため、走行性の向上が期待できる」「貴重種(猛禽類)の生息域が存在し、その他動植物等も含めて自然環境への影響が懸念されるため、回避・低減等による配慮が必要」「網野市街地・久美浜市街地に近接し、沿道集落への影響が懸念されるため、回避・低減等による配慮が必要」など。コストは2000〜2450億円を見込む。
 第2案(自動車専用道路整備案(Bルート))は「主要拠点である網野市街地、永留・谷工業団地、久美浜市街地とのアクセスに配慮したルート」「延長は約15〜18q(構造物延長は約11〜12q)」「公立豊岡病院のカバー圏域が拡大し、沿線地域の救急医療活動が改善する。30分以内での搬送可能人口は3案中、最も少ない」「京丹後市の生活圏が拡大し、沿線地域の通勤・通学、通院、買い物等の可便性が向上する。60分以内での交流可能人口は3案中、中位」「高速道路へのアクセス所要時間が短縮し、物流の効率化や生産性の向上が期待できる。永留・谷工業団地からの近接性は最も高い」「水産拠点間の速達性・定時性が高まり、販路拡大などの効果が期待できる。主要漁港から舞鶴港への輸送短縮時間は3案中、最も小さい」「高速道路へのアクセス所要時間が短縮し、経済活動の活発化や交流人口の増加が期待できる。市街地からの近接性は第1案には劣る」「高速道路へのアクセス所要時間が短縮し、観光入込客数の増加が期待できる。夕日ヶ浦温泉からの近接性は第1案には劣る」「クルーズ船から観光拠点への速達性・定時性が高まり、観光振興の促進が期待できる。舞鶴港から夕日ヶ浦温泉への移動短縮時間は最も小さい」「観光資源を活かすネットワークが強化され、観光拠点間における周遊性の向上が期待できる。鳥取砂丘から夕日ヶ浦温泉への速達性・定時性は第1案には劣る」「新たな別線整備であるため、能登半島地震の教訓を踏まえたルート計画が可能。山間部を通過するため、交通アクセスが限られる沿岸地域の復旧支援の迅速性は、第1案には劣る」「新たな別線整備であるため、国道178号の代替路としての機能が確保できる」「地域交通と通過交通が分離されるため、交通事故の縮減が期待できる。別線整備を行うため、縮減量は第1案同様、最も大きい」「新たな別線整備であるため、交通の安全性、快適性などが向上するとともに、線形不良箇所を回避できるため、走行性の向上が期待できる」「貴重種(猛禽類)及び特別天然記念物であるコウノトリの生息域が存在し、その他動植物等も含めて自然環境への影響が懸念されるため、回避・低減等による配慮が必要」「久美浜市街地に近接し、沿道集落への影響が懸念されるため、回避・低域等による配慮が必要」など。コストは2050〜2500億円を見込む。
 第3案(一部現道活用案)は「国道178号の現道を一部活用するルート(現道活用区間は西側がL約1・2q、東側がL約1・7q)」「延長は約18〜20q(構造物延長は約9〜11q)」「公立豊岡病院のカバー圏域が拡大し、沿線地域の救急医療活動が改善する。30分以内での搬送可能入口は3案中、中位」「京丹後市の生活圏が拡大し、沿線地域の通勤・通学、通院、買い物等の利便性が向上する。60分以内での交流可能人口は3案中、最も少ない」「高速道路へのアクセス所要時間が短縮し、物流の効率化や生産性の向上が期待できる。永留・谷工業団地からの近接性は第2案には劣る」「水産拠点間の速達性・定時性が高まり、販路拡大などの効果が期待できる。主要漁港から舞鶴港への輸送短縮時間は第1案と同等」「高速道路へのアクセス所要時間が短縮し、経済活動の活発化や交流人口の増加が期待できる。市街地からの近接性は第1案と同等」「高速道路へのアクセス所要時間が短縮し、観光入込客数の増加が期待できる。夕日ヶ浦温泉からの近接性は第1案と同等」「クルーズ船から観光拠点への速達性・定時性が高まり、観光振興の促進が期待できる。舞鶴港から夕日ヶ浦温泉への移動短縮時間は第1案と同等」「観光資源を活かすネットワークが強化され、観光拠点間における周遊性の向上が期待できる。鳥取砂丘から夕日ヶ浦温泉への速達性・定時性は第1案には劣る」「新たに別線整備を行う区間では、能登半編地震の教訓を踏まえたルート計画が可能。交通アクセスが限られる沿岸地域の復旧支援の迅速性が期待できる。現道活用区間では、災害弱箇所に必要な補強等の対策を講じる必要がある」「一部区間で現道が残るため、国道178号の代替路としての機能は他業より劣る」「現道活用区間で地域交通と通過交通が分離できないため、(交通事故の)縮減量は他業より小さい」「現道活用区間で地域交通と通過交通が混在するため、他案より(走行性は)劣る」「貴重種(猛禽類)の生息域が存在し、その他動植物等も含めて自然環境への影響が懸念されるため、回避・低減等による配慮が必要」「網野市街地・久美浜市街地に近接し、沿道集落への影響が懸念されるため、回避・低減等による配慮が必要」など。コストは1900億円〜2350億円を見込む」。
 自然環境への配慮事項として、どのルートであってもコウノトリや貴重種(猛禽類)などの生息域が存在することから、回避・低減等による配慮が必要となるため、概略ルート(250m幅)検討の際に十分留意が必要とした。
 景観への配慮事項についても、重要な景観資産が存在する久美浜町域にどのルートであっても近接することから、概略ルート(250m幅)検討の際に十分留意が必要とした。