大阪府は、太子町や河南町、千早赤阪村などの南河内地域に自動運転バスを導入するため、2024年度中に区画線整備などの道路環境整備を行う。25年に開かれる大阪・関西万博の閉幕後、速やかに同地域内でのテスト走行を行う計画だ。
7月27日に開かれた第2回新モビリティ導入検討協議会の中で示された。道路環境整備では、バスの車載センサーが車線を検知できるよう走行ルート内の区画線の補修を行う他、車両調律に必要な各車線やガードレール、道路標識、横断歩道などの道路情報が記録された3Dマップも作成する。この他、運行に必要な路線協調システムや充電器、車庫、遠隔監視施設なども整備する。整備時期については、詳細な走行ルートが決まり次第着手するとしている。
Osaka Metroが万博会場で運行する自動運転バスを活用する計画で、実証実験の運行ルートについては、@各町村役場や商業施設を経由し鉄道駅にアクセスする「将来の自動運転のため広く地域住民に体験してもらうルート」A固定ルートでの繰り返しの実証実験B既存バス停などストックを活用しつつ自動運転空間の創出―の3点を基本方針とし、詳細なルートを決定。実証実験は26〜28年度で行う予定としている。
南河内地域では、23年12月に路線バスの金剛バスが運転手不足によって全路線を運行廃止した。万博で運行する自動運転バスを活用することで、持続可能な地域公共交通を確保する考え。
南河内地域以外でも、阪急バスや京阪バスで一部路線を運行廃止していることから、南河内地域での取り組みを踏まえ、府内市町村での地域公共交通確保の取り組みにつなげるとしている。
提供:建通新聞社