守山市は、笠原産業用地の地区計画案を示した。同地区の位置は守山市笠原町地先、荒見町地先(県道近江八幡守山線を挟み東西に広がる現況は農地等)。区域面積は約41・3f。建築物の用途を工場、研究所等に制限し、産業の立地誘導を図る。
大津湖南都市計画地区計画「笠原産業用地地区計画」(守山市案)によると、種類は市街化調整区域・大規模開発型。地区整備計画では、工場、研究所または倉庫(倉庫業を営む倉庫を除く)等の用途に供する建築物に制限。容積率の最高限度200%、建ぺい率の最高限度60%。建築物の敷地面積の最低限度は原則5000平方b。建築物の高さの最高限度は原則25b。住宅地に隣接する地区南側には緩衝緑地帯を設ける。
市を含む県南部は、雇用の確保や交通利便性の面から、企業の関心が高い地域であるものの、昨今の社会経済情勢による企業の国内回帰に対応可能な用地がないことに加え、市内既存工場の移転・改築や事業の拡大・集約化等の需要ニーズにも応えられない状況にある。
そのため、次代を支える産業の立地誘導を図るとともに、既存市内企業の市外流出を予防し、空洞化を防ぐためにも、2022年度において新たな産業用地適地調査検討を行った結果、主要地方道草津守山線(大津湖南幹線)および主要地方道守山栗東線(レインボーロード)に近接している等、産業用地としての市内での相対的な優位性により、同地区が選定された。
同地区においては、農村地域への産業の導入の促進等に関する法律に基づき、産業導入地区として実施計画が定められていることから、地区への産業導入を積極的に促進し、農業とその導入される産業との均衡ある発展を図るとともに、地区計画を策定することにより、無秩序な開発を抑制し、市民の雇用確保および地域経済の活性化に資する工場、研究所等の立地を図ることを目指す。
笠原産業用地を巡っては、造成事業を進めるにあたり守山市土地開発公社に業務を委託。工業団地の整備に官民共同で取り組む同用地の一部には、本田技研工業梶i東京都港区)と鰍fSユアサ(京都市南区)が、電気自動車(EV)向けリチウムイオン電池を製造する合弁事業のために進出する予定。27年の稼働を見込む。事業を実施する合弁会社は鰍gonda・GS Yuasa EV Battery R&D(山本康一代表取締役社長・京都市南区吉祥院西ノ庄猪之馬場町1)。
また、鰍fSユアサは、今回の笠原産業用地進出に先行し、守山市内の別の場所(同市横江町/敷地約6・4f)に、電池製造工場(S造4階建、延約10万平方b)を建設する。完成は26年9月末の予定。工事の設計・施工は大林組大阪本店(大阪市中央区)。
提供:滋賀産業新聞