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　県と成田空港圏自治体連絡協議会は29日、岸田文雄内閣総理大臣に対し、成田空港を核とした物流・産業拠点の形成などに関する要望を行った。要望活動には熊谷俊人知事と麻生孝之副会長（芝山町長）が参加。岸田首相は「要望を受け止め、国家プロジェクトとして成田空港を核とした国際航空物流拠点の機能強化が図られるよう、８月にも特区諮問会議を開催し、特区の活用を含め、しっかりと対応を行っていきたい」と話した。
　熊谷知事は、岸田首相に対して「成田空港の機能強化はもとより、成田空港へのアクセスの強化、成田空港の周辺の産業拠点の開発、さらには成田空港と東京都心を最短で結ぶ北千葉道路や首都圏中央連絡自動車（圏央道）の整備が進んでいる。空港を核とした産業や物流の機能をつくっていくことは、わが国にとって重要性が増してきている」と、要望の趣旨を説明した。
　要望活動には、自由民主党成田国際空港推進議員連盟会長代理の林幹雄・衆議院議員、自由民主党成田国際空港推進議員連盟事務局長代理の小林鷹之・衆議院議員、成田国際空港の田村明比古代表取締役社長、自由民主党千葉県連成田国際空港推進議員連盟会長の石橋清孝・県議会議員が同席。また、森昌文・内閣総理大臣補佐官が立ち会った。
　要望の項目は▽国際線ネットワークの充実・強化▽道路・鉄道アクセスの充実・強化▽物流・産業機能の集積などへ向けた国家戦略特区の活用▽人材の確保・育成▽産業用地の整備・開発などの迅速化▽農林水産物・食品の輸出機能の強化。
　道路に関して、圏央道、北千葉道路、新湾岸道路、東京湾アクアライン６車線化など、成田空港へのアクセスを向上し、羽田空港との連携を強化する広域道路ネットワークを戦略的かつ迅速に整備するとともに、成田空港および周辺地域と圏央道を結ぶ新たなインターチェンジの事業化に向けて必要な協力と助言を行うことを求めた。
　
国家戦略特区／県全域に拡大
　
　成田空港を核とした物流・産業機能の集積や民間投資の促進に向けた取り組みをより広域的な観点から展開するため、成田市、千葉市を対象とした現行の国家戦略特区を県全域に拡大し、イノベーション促進などに寄与する規制・制度改革の取り組みを支援するよう要請した。
　また、産業用地の整備・開発などの迅速化を図るため、「地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律（地域未来投資促進法）」の弾力的な活用の対象を物流以外の分野に拡大し、企業の予見可能性をより一層確保すること、県・市町などによる産業用地の整備・開発やまちづくりに対して都市再生機構による支援や国による財政支援を行うこと、工業用水道などの産業インフラ整備に対する支援を強化することを要望した。