県土整備部は2024年度から独自の取り組みとして「サポート臨場」を導入している。導入から約4カ月になることを受けて、県土整備政策課の建設DX推進担当が各県土整備事務所を回り、ヒアリングを開始した。メリットや課題を整理して、好事例は水平展開していく。
「サポート臨場」は、遠隔臨場の対象案件の中から抽出して行っている取り組み。前提となる遠隔臨場は国土交通省に準じて、21年度から試行している。
24年度からは本格実施に切り替えたところで、同部と都市整備部が発注する土木工事は、原則全てで行う方針を打ち出している。
大野元裕知事が重視しているDXをインフラ分野でも推進することが主目的。移動時間や立ち合いの待ち時間を軽減し、受発注者双方の働き方改革、生産性向上につなげる。
ただ、監督職員が現場に行かなくて良いということではないことを、明確化している。生み出した時間を有効活用して、「全体の確認が必要な現場臨場」などに充てる。 県独自の「サポート臨場」は、受発注者の双方から「若手職員の現場臨場は技術者の育成に不可欠」との意見があったことを踏まえ、立案された経緯がある。
特に業界からは「若手職員が、現場をよく理解していないまま、便利なツールを使って進めていく」ことに対する危機感が示されている。
対象工事では、ベテラン職員がWeb会議システムで遠隔立ち合いを行い、若手は現場で立ち合いを補佐する。立ち合い者はあくまでもベテラン職員で、現場にいる若手ではないという構図を整理している。
若手が黒板の掲示などで遠隔臨場の補助を行ったり、画面に映り込むことは可としている。なお映像の撮影は受注者が行うことになっている。
提供:埼玉建設新聞