高知労働局は7月24日、高知市内で高知県建設関係労働時間削減推進協議会を開き、国交省や県、建設団体の職員ら19人が働き方改革への取り組みについて話し合った。
協議会は四国地方整備局企画部と建政部・高知県土木部・高知県建設業協会・同労働局で構成。オブザーバーとして県経営者協会、国交省の出先事務所などが参加した。時間外労働の削減や建設DXを取り入れた働き方改革の支援を目指し、4月に始まった時間外労働の上限規制強化に伴い今後どういう方向で進めるか、働き方改革に役立つ各種助成金などの説明会をどう実施するかなどを話し合った。
まず、労働局の担当者が改正労働法の概要や建設業での有給休暇取得の状況、監督指導状況や前年度に行った過重労働解消キャンペーンで分かった労働時間短縮や作業の効率化の成功事例を紹介。建設業の現状と課題の中で示された有給休暇取得状況(全国レベル、有給休暇の付与日数に繰り越し分は含まない)では、全業種の平均が62・1%なのに対して建設は57・5%と宿泊・飲食サービスに次いで低いことを示した。
四国地整企画部は完全週休二日の取り組みと実施企業の評価方法、ウイークリー・スタンスでの工事の環境改善や書類作成の負担軽減に取り組んでいることを説明した。また、ICTのトップランナー企業ではどれくらい作業を効率化できているか、若手・女性技術者がICT活用で活躍している事例などを紹介した。同じく建政部の担当者は、担い手確保に向けた賃上げの必要性や資材高騰に伴う労務費へのしわ寄せ防止、建設Gメンの取り組みを報告した。
一方、高知県土木部は、ICTに関する研修を実施し経営者の意識改革を促進していること、雇用環境改善のために業者の負担なしで支援アドバイザーを派遣する活動、働き方改革を支援するウェブ研修などについて報告した。県は今後、週休二日制モデル工事を拡大するための達成目標を「工期内」から「月単位」に変更するよう検討する、総合評価での評価項目に「ICT活用工事の推進」を新設する、研修費用の一部を助成することで建設ディレクター導入を後押しする−などに取り組みたいと述べた。
話し合いの中では「説明会の参加者が減ってきているのでウェブで開催してはどうか」、「時間外労働の上限規制で、災害対応のための例外は基準など分かりにくい」などの意見が出た。
提供:建通新聞社