白山市は27日、市民交流センターで「第1回市金沢総合車両所松任本所跡地活用検討委員会」を開催した。土地利用ビジョンの策定を目指し、松任地域におけるまちづくりなどの観点から、跡地活用の検討作業がスタートした。
初会合では、委員長に竹村裕樹金城大学客員教授を選出。田村敏和市長が「跡地は松任駅に隣接した非常に利便性の高いエリア。このような中心市街地が再開発される機会はまれ。市としての考えをJR西日本に提言することは百年の大計だ」とあいさつし、竹村委員長へ同ビジョン策定に関する諮問を行った。
在来線の車両検査や保守点検を担ってきた同松任本所(白山市新田町地内)は、北陸新幹線敦賀開業の3月16日に閉所となった。IRいしかわ鉄道松任駅の北側に近接し、面積は東京ドーム3個分の13万8000平方メートル。このエリアは、用途に制限のある工業地域となっており、所有者のJR西日本が現在、土壌調査などを進めている。
同委員会には市議会や県、地元町内会、商工会議所など各種団体の代表者、有識者など約20人が参画。席上、竹村委員長は「広大な跡地に商業や情報、交流、防災拠点など複合的な機能が求められる。産学官民がコラボし、皆さんと知恵を絞っていきたい」と話した。各委員からは、市の未来を左右する夢ある事業として健康促進やにぎわい創出の場などが挙げられた一方、「道路の拡幅や新設など、周辺の居住環境に配慮してほしい」、「松任駅周辺で圧倒的に少ない駐車場を整備してほしい」などの現実的な意見も出た。
同委員会では各委員に跡地利活用のアンケートを実施。今後2、3回の会合を開き、整備イメージなどを含む同ビジョンを取りまとめ、今年度末までにJR西日本へ提言する予定だ。