横浜市建築局は、野庭住宅I・J街区(港南区)の建て替えについて、PFI手法のBOTa方式を導入する見通しだ。各街区の実施方針を9月に公表し、特定事業に選定した上で2025年2月にも入札を公告する予定。25年9月に落札者を決め、同年12月の仮契約、26年2月の本契約につなげる。事業期間は契約締結から市への所有権移転まで約16年間を想定している。
野庭住宅は港南区野庭町に位置する市営住宅。A〜K街区内に88棟・計約3300戸の住棟が立地している。施工時期の平準化や財政負担軽減の観点から、I・J街区を含む約1000戸で公民連携手法を導入した建て替え事業に取り組む。
I街区では、面積2万5428平方bの敷地に鉄筋コンクリート造5階建ての住棟が12棟・計380戸立地。建て替え後の規模を370戸と想定している。
一方、J街区の敷地面積は8729平方b。鉄筋コンクリート造5階建ての住棟3棟・計130戸で構成している。建て替え後も130戸を確保する計画。
いずれも現地の用途地域は第1種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)で第4種高度地区の高さ制限がある。
PFIのBOTa方式では、施設の設計・建設と維持管理などに加え、入居者の移転支援(a=アシスト)を含む。住棟を集約・高層化して生まれる創出用地の活用も任せる予定。
事業期間は、事業契約締結後から施設の整備完了、本移転の完了までを約6年、維持管理業務の開始から終了、市への所有権移転までを約10年間に設定することを検討している。
施設整備に当たっては、市営地下鉄ブルーライン・上永谷駅方面から見た野庭住宅・野庭団地の玄関口としてふさわしい景観を形成することなどを条件とする考えだ。
提供:建通新聞社