京都市は22日、緑化審議会の第2回緑の基本計画検討部会を開催。現行計画の目標設定における課題などについて審議した。
計画の対象となる「緑」は、都市公園、街路樹等の公共の緑から、私有林や社寺林、緑化された民有地等の私有の緑まで、所有者・管理者に関わらず、あらゆる緑が対象。計画の対象区域は市域全域(現行計画と同じ)。
第1回部会での議論を踏まえた事務局案として、基本理念について「山紫水明に息づく文化とともに 彩りあふれる千年先の京都へ」とした。基本方針1は「みどりとひとの輪を広げ、後世に庭園文化都市をつなぐ」、基本方針2は「あらゆるいのちに寄り添い、持続可能なまちをめざす」、基本方針3は「絆と文化をみどりで紡ぎ、安全で豊かな暮らしをはぐくむ」とした。「みどり」(平仮名)を使用することをポイントとして挙げた。
将来像の方向性については、第1回部会での議論を踏まえ、俯瞰図(衛星写真等のリアルな画像をベースにした「みどりの現況」)、配置図(平面図上で模式的に表現した「みどりの配置方針図」)、イメージ図(人や生活のあるべき姿がイメージできるような「図」)の3種を組み合わせるとした。
目標の方向性については、現行計画の目標設定における課題として、「緑被率はつぶさに進捗を管理できず、急速で多様な社会の変化への対応が困難」「1人当たり公園面積は、みどりの総合的な評価にはなじまない」などを挙げ、「緑被率や公園面積といったみどりの量を増やすことを目的化するのではなく、みどりの質の向上を目指すための指標を検討する必要がある」とした。
目標設定の方向性として、▽様々なみどりを総合的に評価するため、新たな指標を導入する▽新たな指標の全体的な動向について、目標設定を行う▽指標には既存データ・オープンデータ等を活用し、進捗管理の効率化を図る▽指標のモニタリング結果を都市緑化審議会等で定例的に報告・公表し、施策に還元する−とした。
今後、夏頃予定の都市緑化審で基本方針等の審議を行うなどし、令和7年末頃のパブリックコメントを経て、令和8年4月頃の計画策定を目指す。