大津市都市魅力創造課は、大津港周辺官民連携エリアプラットフォーム構築等支援業務について、ハートビートプラン(大阪市北区)に委託先を決定し、25年3月をメドに内容を取りまとめ、大津港周辺の恒常的なにぎわい創出に向けて、事業展開を図っていく。
内容によると、大津港周辺においては、周辺エリアのまちの将来像や、官民の役割を明確化、具現化した「未来ビジョン」を早期に策定し、共有することが求められている。今回の業務委託では、大津港周辺エリア内のまちづくりに関する多様な主体との連携のもと、官民の幅広い関係者が参画する官民連携のエリアプラットフォームの構築を目的としている。
大津港周辺は、古くより湖上、陸上交通の結節点として、さらには文化・歴史を繋ぐ滋賀・大津の玄関口として市内・市外問わず幅広い方々に利用されており、なぎさ公園周辺魅力向上プロジェクトにおいても「歴史・文化、都市型観光発信エリア」に位置付けられるなど、大津市のにぎわいのある魅力的なまちづくりにおいて重要な役割を担うエリアとなっている。23年度に実施した大津港周辺のにぎわい創出に向けた検討業務(担当・ハートビートプラン)では、大津港周辺における利活用のポテンシャルは確認したが、恒常的なにぎわい創出に向けては、官民連携の持続可能な取組が必要で、滋賀県や港湾管理者、公園管理者、周辺事業者、地域住民などとの意見交換会においても、周辺事業者や地域住民から、取組を進める組織体制の構築や、県や市、民間事業者などが連携した継続的な事業展開などが必要との意見が出ている。それも踏まえ、今回、大津港周辺官民連携エリアプラットフォーム構築等に取り掛かることで、長期間継続しての大津港周辺の恒常的なにぎわいの創出に向けて取り組んでいく。
また、同課では、にぎわい創出に向けた検討について、▽「まなぶ」「つどう」「あそぶ」などの複数のテーマ設定、▽早朝から夜間にかけた幅広い活用の可能性の検証、▽テーマ毎のターゲット層や滞留時間の設定、▽地域のリソースや多様な主体間の強みの活用、▽水辺空間の活用、▽一過性に囚われない恒常的なにぎわい創出、▽継続的な活用に向けた収益性を意識した事業に着手していく考え。
同市の大津港周辺は、22年度に大津港サイクルステーションが開設されたほか、23年度にはびわ湖疏水通船事業の大津港延伸、27年度には、滋賀県において、大津港港湾業務用地に(仮称)新・琵琶湖文化館の開館が予定されるなど、にぎわい創出に向けたさまざまな取組が進められ、更なる発展が期待されている。このように官民による活発な取組が進められている一方で、22年度に行った「びわ湖浜大津駅周辺市有施設の利活用の検討に係る調査業務」における市民意見においては、景観がよいとするイメージを持ちながらも「閑散としてさびしい」といった意見もあり、十分な利活用が図られていないといった課題が顕在化している。このような課題を踏まえて、滋賀県とともに大津港周辺のさらなるにぎわい創出に向け大津港公共港湾施設の使用に係る規制の一部の緩和などの取組を進めていき、大津港周辺の恒常的なにぎわいの創出に向けて取り組む考え。
提供:滋賀産業新聞