近江八幡市は、安土コミュニティエリア整備設計業務委託について公募型プロポーザル方式により審査の結果、且R下設計関西支社(大阪市中央区)を最優秀提案事業者に選定した。次点者は潟Aール・アイ・エー大阪支社(大阪市北区)だった。
応募事業者(技術提案書提出順)は、浦辺設計・シードコンサルタント設計共同企業体、教育施設研究所・鳳コンサルタント設計共同企業体、滋賀県建築設計監理事業協同組合、潟Aール・アイ・エー大阪支社、且R下設計関西支社の5者。
施設の老朽化等に伴い、市立安土小学校・安土地域防災センター(コミュニティセンター)・安土こどもの家(放課後児童クラブ)を一体的、複合的に整備する事業のうち、同エリア全体の設計業務を委託する。
建設工事のスケジュールは▽造成・インフラ工事全体=2025年7月〜26年4月▽建築工事全体=26年5月〜27年12月―を見込む。整備事業に係る土地購入費を除く総事業費は、約68億円以内(税込み)を予定しているが、提案者により一層の事業費の削減を期待する。
安土コミュニティエリア整備事業は、防災教育・協働のまちづくり、学校教育、社会教育、放課後児童クラブに通う子どもたちの健全育成など各施設に求められる機能を整備しつつ、各施設の有機的な連携による相乗効果により、市の地域防災計画に基づく防災地区内の市民の1割(約980名)が中期的に避難生活を送れる防災機能を備えた避難施設として、また、被災者対応、情報収集等を行う現地本部等の機能を備えた地区防災拠点として整備するもの。更に、消防団の拠点も一体整備することにより、迅速な避難誘導等を図り、安全・安心な災害に強いまちづくりを推進し、地域防災力の向上をはじめ、安土学区住民のコミュニティ活動の促進・特色ある地域社会の形成を図り、安土学区の魅力的なまちづくりのための総合的な拠点を構築する。
計画地は、近江八幡市安土町下豊浦。敷地面積(実測面積合計)は約4万9400平方b。設計業務の内容は▽安土コミュニティエリア土地利用設計業務=造成設計業務、調整池設計業務、道路測量設計業務、開発許可申請業務、農地転用許可等申請業務、土質調査業務、近隣対策調査▽安土小学校整備工事設計業務=安土小学校校舎、屋内運動場、プール、グラウンド、多目的大ホール、駐車場、外構設計業務▽安土地域防災センター整備工事設計業務=安土地域防災センター、屋外倉庫、駐車場、外構設計業務▽安土こどもの家整備工事設計業務=安土こどもの家、駐車場、外構設計業務―。履行期限(設計業務全体)は契約締結日から25年12月26日まで。委託金額の上限額は4億3411万3000円(税込み)。
土木測量設計業務では、市立安土小学校・安土地域防災センター(コミュニティセンター)・安土こどもの家(放課後児童クラブ)を一体的、複合的に整備するため、「安土コミュニティエリア構想」にて策定した構想配置図に基づき、開発行為の実施に必要な許認可の各関係法令による手続き及び、工事発注に必要な測量設計業務等を行う。計画地内において約9000立方bの調整池等雨水流出抑制施設の設置を予定(貯留方法はオフサイト方式)。必要植栽面積は約2970平方b(敷地面積の6%)以上。
建築設計業務では、安土小学校、安土地域防災センター、安土こどもの家の新築工事に係る設計及び積算業務一式(外構設計含む)、建築基準法並びに関係法令に基づく協議・申請等業務一式(条例等に基づく協議・申請等業務含む)を委託。施設規模(想定)は▽校舎=2階建、延6100平方b程度▽屋内運動場=平屋〜2階建、延1200平方b程度▽多目的大ホール(ふれあいホール)=平屋建、延250平方b程度▽地域防災センター=2階建、延1400平方b程度(うち消防団スペース200平方b程度)▽こどもの家=平屋建、延450平方b程度―。構造はRC造他(提案内容を基に協議を行い決定)。対象工事の予定工期は26年5月から27年12月まで。発注区分は未定。
安土小学校は▽新校舎=普通教室18、特別支援教室7、通級指導教室1、図書室1、特別教室4など▽屋内運動場=バスケットボールコート2面(センターコート用1面を含む)、バレーボールコート6人制2面(上記競技目の同時使用はない)、ステージなど▽多目的大ホール(ふれあいホール)=200名程度の集会ができるスペース▽プール=浄水型プール水面積400平方b以上(大プール25b(6コース)、小プール(別槽10b×5b程度))▽グラウンド=100bの直線路(助走路も考慮)、200bトラックを確保、少年野球用にホームベースから70b程度のスペースを確保可―など。
安土地域防災センター(コミュニティセンター)は事務室、応接スペース、小会議室4、中会議室4、和室2、屋内備蓄倉庫、収納庫、工芸室、調理室や、一体で整備する消防団安土分団詰所、消防車庫など。このほか屋外倉庫、屋外備蓄倉庫(250平方b規模)、駐車場、駐輪場など。
安土こどもの家(放課後児童クラブ)は生活室(3室(1室につき50人程度))、静養室、会議室・多目的室など。
安土小学校、安土地域防災センター、安土こどもの家の利用者及び教職員用の駐車場として、1台当たり寸法2・5b×5・0b以上で340台程度(車いす使用者駐車区画6台以上含む)収容できる駐車場を計画する。地域防災センター前は一般・送迎利用者向け。消防訓練スペース(90b×20b以上)を兼ねる。
整備事業スケジュールによると、建設工事は▽造成工事発注準備=25年4月〜6月▽造成・インフラ工事=25年7月〜26年4月▽建築工事発注準備=25年1月〜26年4月▽小学校校舎等工事=26年5月〜27年9月▽地域防災センター工事=26年5月〜27年9月▽こどもの家工事=27年5月〜9月▽プール、外構その他工事=27年6月〜12月―の予定。
安土コミュニティエリア構想策定業務(22年度)は日本工営都市空間滋賀事務所(大津市)、安土コミュニティエリア整備事業土質調査業務(23年度)は双葉建設(甲賀市)が担当。
提供:滋賀産業新聞