名古屋市上下水道局は、シールドマシンの掘進を停止していた山王橋雨水幹線下水道築造工事で、新ルート・新マシンを製作して、工事を再開することにした。同幹線の工事完成時期は、当初予定していた2024年度末から28年度末とする。このため、既に完成している名古屋中央雨水調整池は、内部に仕切り壁などを設置して先行供用できるよう、今後工事契約手続きを進めていく見通しだ。仕切り壁設置等工事は随意契約が有力だが、時期などは調整中としている。
山王橋雨水幹線のシールドマシン掘進停止は23年12月末に公表。延長約1100b、内径2・8b、深さ約50bのシールドトンネルを構築するため、23年9月上旬までに初期掘進(約50b)を行った後、同月中旬に掘進再開しようとしたところ、カッターヘッドが回転不能であることが判明した。
現地調査結果と外部有識者会議での意見を踏まえて、掘進停止原因は掘削地盤内に大きな石が想定以上に密集していたことで、シールドマシンの一部に負荷が集中し、カッターヘッドの一部が破断したと判断。
既存シールドマシンを修理するには、狭あいな地下空間での作業を伴うなど現地条件から困難なため、新マシンを製作し、発進立坑から新たなルートで掘進を行うこととした。新マシンは外周ビット、サブスポークを装備するとともに、外周支持を増やして掘進時の負荷を分散、掘進停止原因に耐え得る強固なものにするとした。秋ごろにも製作を開始する考え。
名古屋中央雨水調整池は、名駅南3丁目交差点付近直下で仕切り壁を設置して、調整池の貯留機能(約10万立方b)を先行発揮させる方針。同局によると、貯留機能発揮のためには仕切り壁設置の他、排水ポンプ設置、既設下水管への一部配管が必要だとする。25年度出水期のできるだけ早い時期に工事を完了させたいとしている。
提供:建通新聞社