花巻市は、国土交通省が取り組んでいるかわまちづくりを進めるため、「(仮称)花巻地区かわまちづくり計画策定協議会」を設置。5日に第1回協議会を開き、会長に木村憲一郎富士大学教授、副会長に佐々木博花巻観光協会長を選出した。今後、年度内に2回ほど会議を開き、広く意見を聞きながら計画を策定し、2025年度に国交省の支援制度への申請と登録を目指す。26年度からソフト・ハード事業を進めていく予定。
同市花城町の生涯学園都市会館で開かれた協議会には、市建設部の板垣浩美部長、10人の委員、東北地方整備局岩手河川国道事務所の土田昭夫副所長、工務第一課の後藤淳一課長、水沢出張所の小野一所長など関係者ら約30人が出席した。
会に先立ち、板垣部長は、中心市街地の活性化や交流人口の拡大、子育て支援など地域の賑わいの創出を施策として進めていることを紹介。「市内を流れる北上川には水上や水辺を活用した観光や教育資源がある。それらの資源を活用し、国の支援も得ながら河川空間を活用したかわまちづくりに取り組んでいきたい」とあいさつ。
土田副所長は、かわまちづくり支援制度を説明し、「花巻の魅力あふれる良いところを計画に反映させ、地域の活性化や地域の振興につなげてほしい」と期待を寄せた。
会議では、かわまちづくり支援制度の説明に続き、基本方針やソフト・ハード施策、維持管理計画などを協議。委員からはイギリス海岸のさらなる活用を求める声がなどが上がった。
同日示された素案の中のハード施策を見ると、河川管理者として国が整備する施設として船着場やスロープ、階段護岸、管理用通路舗装、仮設橋用基礎など。市はトイレや駐車場、ベンチ、案内板、遊歩道舗装などを検討している。
計画対象範囲は、北上川に架かる銀河大橋から花巻南大橋までの約4.5`。推進主体は花巻市。テーマとして「北上川・北斗7星プロジェクト(7つの輝きづくり)」を掲げ、▽水上アクティビティの充実▽イギリス海岸の活用▽イベントの展開▽水辺体験型アクティビティの創出▽新たな花の風景づくり▽賢治を感じる散策路ネットワークづくり▽市街地・花巻温泉郷との連携−を基本方針としている。
提供:日刊岩手建設工業新聞