徳島県は、徳島バッテリーバレイ構想推進会議を7月下旬に開催する。5日付で構想の全体版を公表しており、同会議で戦略の具体化を検討し、速やかに積極的な施策を講ずる方針。基本目標は「徳島への蓄電池関連産業の集積」。達成の目標年次は2030年度。
全体版によると、推進する施策の方向性として▽製造ラインと工場増設の促進▽生産に必要な関連産業や事業所の誘致促進▽域外事業所の県内移転の促進▽研究開発企業とリサイクル企業の誘致促進▽港湾整備・用地確保・道路網整備の推進―を掲げた。並行して県有施設や商業施設への蓄電池の導入促進、一般住宅へのZEH(エネルギー収支ゼロ以下)の普及拡大も図る。
整備すべき主な機能(施策)は、研究・製品開発支援、人材育成・確保、新事業展開・誘致促進、インフラ整備。このうち目標達成に向けて、新事業展開・誘致促進の実現が必要となるが、推進戦略によると産官学一体の構想推進体制が必要としている。
今後、速やかに推進会議で戦略の具体化を検討する。施策が立ち止まることがないよう、OODA(観察、適応・状況判断、決断、行動)サイクルで管理する方針。
構想を実現するための戦略によると、業界ニーズに応じ優先度が高くかつ対応可能な施策からスピード感をもって展開する。製造基盤の早期拡充へ、まずは既存立地企業の工場やラインなどの増設による事業拡大、蓄電池産業への新規参入へマッチングの実施が必要と見ている。県内の企業立地状況から、電解材料、セル・モジュール化材料、組み立て装置などへの新規参入を見込んでいる。不足しているセパレータ(電池の正極と負極の間の板状材)メーカーなどの誘致も検討する。
提供:建通新聞社