福井県土木部は、今年度から、建設キャリアアップシステム(CCUS)活用推進モデル工事の試行について、対象を設計金額2億円超から、1億円超に改定。普及拡大を図ることとしている。
対象工事は、土木一式および建築一式とする。
モデル工事は、CCUSを活用した下請企業の事業者および技能者の登録を義務化する。また、元請事業者は、工事契約情報を登録し、現場に設置したカードリーダーを用い、下請事業者の技能者の情報を蓄積する内容。県内のCCUS登録事業者(24年4月現在)は、3902社のうち、1652社の42%という。
CCUSは、技能者の資格や、社会保険加入の状況、現場の就業履歴などを技能者に配布するICカードを通じ、業界統一のルールにより登録・蓄積し、技能者の能力を経験や資格に応じてレベル1から4に評価する。技能者のレベルに応じた賃金支払いなどの処遇改善や、現場管理の効率化を図るねらい。
また、完全週休2日(土日の現場閉所)を全面実施する。原則すべての工事が対象。ただし随意契約や、災害に伴う緊急性の高い工事、現場作業日数が5日以下の工事は除く。工事関係書類の削減・簡素化と、工事検査等の事務の省力化の主な改定は、ダイジェスト版のみ紙提出の記載を削除するなど。工事における受発注者の業務の効率化や省力化を図る。さらにICT活用工事は、今後もさらに拡大し、建設産業の働き方改革を進めていきたい考え。
25年度から全庁で導入
■電子契約サービス
契約手続において、事業者の利便性向上と業務効率化を図るため、2025年4月1日付の契約から電子契約を導入する 導入する電子契約サービスは、GMOグローバルサイン・ホールディングスの「GMOサイン」
・電子契約 従来は合意内容を証拠として残すため、紙に印鑑押印し契約した。これに代わり、電子データに電子署名をすることで、書面同様の証拠力が認められる
・電子契約のメリット 印刷や郵送が不要 インターネット上の操作で完結 印紙代がかからない 契約書の製本が不要
■電子請求サービス
事業者の県に対する請求書などの発行手続きにおける利便性向上と業務効率化へ、25年4月1日以降の契約から電子請求を導入 対象の電子請求は、25年度以降の予算で発注する契約
・導入するサービス 時間・費用・手間のかかる請求書の発行をペーパレス化 請求書の発行や管理をオンラインで簡単に行う
・電子請求のメリット 印刷や郵送が不要 簡単・無料で利用可能 デジタルインボイスに対応 経理管理のDXを推進
■(参考)電子保証サービスの利用について(工事関係)
これまで書面で提供した保証証書について、25年4月1日付の契約からインターネットを通じて電子的に提供できるようになる
・利用条件 インターネット保証サービス(Net Desk)が利用できること 福井県が電子保証の利用を認めた工事・業務委託であること