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建通新聞社(神奈川)
2024/07/10

【神奈川】県企業庁 23年度はASP30件遠隔臨場21件

 神奈川県企業庁が試行する情報共有システム(ASP方式)と遠隔臨場について、2023年度末までに実施した件数は情報共有システムで30件、遠隔臨場で21件だったことが分かった。24年7月からはこれまでの受注者希望型に加えて発注者指定型も導入し、遠隔臨場にかかる経費は発注者が負担するなど、さらなる普及拡大に努める。今後は事業者を対象にしたアンケート結果を公表し、フィードバックすることも検討中だ。
 23年度末時点では、情報共有システムと遠隔臨場の対象工事を水道営業所などの17所属で発注し、このうち13所属の発注案件で受注者から試行の希望があった。対象工事はともに280件程度で、実施率は約1割にとどまっている。
 情報共有システムや遠隔臨場は複雑な仕組みではないため、「一度利用してみれば次回以降も利用しようという事業者が増えるのではないか」(計画課)との考えから、事業者の使用機会を増やすため、発注者指定型の開始に踏み切った。
 アンケートでは、試行を見送った理由の一つに「導入にコストがかかること」を挙げた回答があった。これを受け、遠隔臨場で使用したサービスの月額料金や購入した機材の一部などの経費を発注者側が引き受けることで、受注者が試行に挑戦しやすい環境を整える。
 23年10〜11月には事業者向けに研修会を4回実施し、112人が参加。実際にシステムを動かすことで、操作に対する不安解消へつながったと見ている。今後も組合などからの要望があれば、職員が赴くなどして操作説明を行う考えだ。
 企業庁では、23年7月から情報共有システムと遠隔臨場の試行を開始。情報共有システムは、工事打ち合わせ簿などの書類をオンラインサービス上でやり取りできる。遠隔臨場は、職員が現場で立ち会っていた監督・検査業務を、受注者が動画用カメラなどで撮影し、ウェブ会議システムを利用して発注者が遠隔で確認する仕組み。企業庁によると、受発注者間でやり取りする書類の数が多い比較的大規模な工事や、発注事務所と現場の距離が離れた工事などで特に効果を発揮しているという。


提供:建通新聞社