達増拓也知事と東北地方整備局の西村拓局長は8日、県庁で懇談。東北地方整備局が所管する直轄事業の状況などについて情報共有した。懇談の席では、西村局長から、整備局の24年度当初予算や事業の進捗状況などを説明。整備局と県が連携して、本県における社会資本整備の推進に向けて予算確保などに努めていくことを確認した。
8日に西村局長、渡邊茂副局長、宮本健也企画部長、整備局県内事務所の所長らが県庁を訪問。県側からは達増知事、八重樫幸治副知事、県土整備部の上澤和哉部長らが出席した。
西村局長は、国土強靱化基本法の改正によって国土強靱化実施中期計画を策定することが法制化されたことや、骨太の方針に中期計画の早期策定が盛り込まれていることなどを挙げながら、今年度の整備局における当初予算の概要を紹介。本県関連分の事業費には前年度の1・07倍となる193億円を計上しているとした上で、道路関係予算の増加について「水沢東バイパスおよび田鎖蟇目道路の橋梁工推進によるものだ」と述べた。
四十四田ダムのかさ上げを図る北上川上流ダム再生事業については「環境影響評価の手続きを進めており、準備書の公告・縦覧が完了した後、知事や県環境影響評価技術審議会からご意見をいただき評価書の作成を進めていく」と、県の協力を要請。道路事業については今年度から国道4号の「水沢金ケ崎道路」に事業着手したことや、直轄権限代行により進める宮古盛岡横断道路の「田鎖蟇目道路」では用地補償と工事を進めていく見通しを示した。
知事は、企業立地の推進や販路拡大、観光振興、国内外との交流活発化など復興道路の整備効果や、内陸部における企業集積の動向にも言及し「宮古盛岡横断道路の田鎖蟇目道路や国道4号北上花巻道路に加え、今年度から水沢金ケ崎道路にも着手いただき感謝している」と整備局の対応に感謝。「北上川流域では、企業の設備投資や生産拡大により、各産業が成長し、新たな雇用が創出されている。働きやすく暮らしやすい地域として発展できるよう、直轄事業のさらなる推進を期待する」と述べた。
小本川の治水対策など「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」による事業効果も紹介し「5か年加速化対策の予算を最大限活用して、本県の強靱化を推進していく」と展望。持続的な公共事業予算の確保が重要であるとの認識を示した上で「5月には財務大臣、6月には政府予算に関する提言要望において、国土強靱化をはじめとする公共事業予算の必要性などを要望した。これまでの取り組みを鈍化させず、加速、深化させられるよう、予算確保を期待する」と呼び掛けた。
西村局長は「皆さんからの要望を踏まえ、必要な予算の確保に努めていく。強靱化実施中期計画が早期に策定されるよう、加速化対策による取り組み事例や事業効果などをPRしてほしい」と、協力を求めた。
提供:日刊岩手建設工業新聞