トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社四国
2024/07/09

【愛媛】重信川環境整備を再評価 継続を了承

 重信川流域学識者会議(議長―鈴木幸一愛媛大学名誉教授)は7月1日、国土交通省松山河川国道事務所で第13回会合を開催=写真。「重信川総合水系環境整備事業の事業再評価」について審議し、同事務所が示した事業継続の対応方針を了承した。
 議事では重信川自然再生事業と重信川かわまちづくり事業の2事業に分けてそれぞれ事業の目的や概要、進捗状況などを確認。各事業の費用便益比(B/C)を算出し費用対効果を分析した。
 各事業の総便益(B)については、アンケート調査に協力した市民の支払い意思額(WTP)などを参考に計測するCVMといわれる手法を基に算出。自然再生事業のB/Cを2・5、かわまちづくりのB/Cを10・0とし、事業全体(総合水系環境整備事業)のB/Cが4・0となるなど、一定の効果が得られていることから継続を決めた。
 重信川自然再生事業では、湿地環境と周辺農地の連続性を再生し、かつて生息していた多様な生物が生息・生育できる場所にする。松山市、東温市、伊予市、松前町、砥部町を関係市町に松原泉や広瀬霞、河口域ヨシ原・河畔林、開発霞、南野田霞・二十日泉、古川泉の再生や支川傍示川の水質改善、砥部川下流の水面再生を進めている。2020年度までに松原泉、広瀬霞、河口ヨシ原(第1期工事)、開発霞が完成している。
 事業期間は33年度まで。全体で45億1700万円の事業費(前回評価から4800万円増額)を投じる計画だが、未着手の箇所については、今後見直しを行った上で整備することにしている。
 重信川かわまちづくりでは、重信川沿岸をサイクリングロードとして活用するとともに、自転車やウオーキングなどの活動拠点(9カ所)として、休憩所や憩いの場、環境学習の場を設け、地域のにぎわいを創出する。関係市町は自然再生事業と同じ3市2町で、国が管理用通路や坂路、高水敷の整備、県がサイクリングロードや案内板などの整備、市町がベンチやサイクルスタンドなどをそれぞれ整備する。
 事業期間は30年度までだが、整備は25年度で完了させ、モニタリング調査を進めることにしている。事業費は東温市での造成工事の増額などで18億4700万円となり、5年前の前回評価より約4億円膨らんだ。

提供:建通新聞社