香川県が解体を計画している旧県立体育館の解体費用が約10億円となる見通しであることが分かった。6月24日の県議会6月定例会で、宮本欣貞議員の代表質問に対し淀谷圭三郎教育長が明らかにした。工法は、地上から重機を使って行う地上解体を想定している。文化的価値の記録保存調査を含めて、工期は約20カ月を見込んでいるとした。
県は5月末納期で解体工事の実施設計を行い、工事の進め方や、工事費の検討を行ってきた。淀谷教育長は、具体的な解体工事費用はさらに図面などを精査し、物価上昇など踏まえた単価の置き換えをする必要があるとした上で、「現段階で10億円程度が必要」と説明した。
着工時期については「旧県立体育館西側の道路が大規模地震発生時の緊急輸送路に指定されていることを踏まえて、現在の状況を長く続けることは避ける必要がある」とし、実施設計の成果を精査し、解体に向けた工程を十分に確認した上で、速やかに必要な工事費などの予算が計上できるよう調整する考えだ。
記録保存については、記録方法や詳細な解体調査で必要な部位などについて検討をしており、今後解体スケジュールに合わせて学術的価値の記録保存を進めつつ、県民に価値を理解してもらえるように3D測量や動画撮影などのデジタル技術を駆使して多彩な記録の作成に取り組む方針を示した。
提供:建通新聞社