大阪府は7月3日、2024年度第1回河川構造物等審議会を開き、大深度地下を使用する鶴見調節池シールドトンネル工事の施工計画について審議した。審議会では、国土交通省が定める「シールドトンネル工事の安全・安心な施工に関するガイドライン」を踏まえ、地質調査とセグメント仕様、シールドマシン形式・仕様を確認。いずれも同ガイドラインに沿って設計されていると判断し、仕様などを決定した。これを受け、10月ごろにセグメントとシールドの製作に着手する計画だ。
セグメントは外径10b、内径9b、幅1・8bの合成セグメント(嵌合式継手)を使用する。土質条件や土かぶりといった荷重条件などが適切に設定され、地震時荷重の構造耐力が十分であることが報告された。27年3月までには完成し、27年度からの本掘進開始に備える。
シールドについては、必要な発進ヤードが確保できることなどから泥水式シールド工法を採用。シールド外径は10・29b、装備推力は15万1200`ニュートン。この他、泥水水圧計、流量計、密度計、ジャッキストローク計、速度計、油圧計、ガス検知器を装備する。セグメントに先立ち、26年4月ごろにはシールドの製作を終え、現地での組み立てに入る。27年1月には本掘進を前に初期掘進に着手する予定。
同審議会では今後、25年2月ごろに家屋調査の実施範囲や計測範囲など周辺の生活環境への配慮、8月ごろに支障物の調査とシールド施工計画、騒音・振動対策、住民対応計画について審議する。
鶴見調節池は城北立坑(大阪市城東区関目2丁目)から鶴見立坑(守口市高瀬旧大枝、鶴見緑地公園内)までの延長1779bで、貯留量は12万立方bを計画している。施工区間のうち、城北立坑から国道479号(内環状線)までの延長640bを大深度地下使用法を適用し工事を進める。
鶴見調節池事業に係る設計は日建技術コンサルタント(大阪市中央区)が担当。築造工事(R5本体工)の一般競争入札も実施されており、大林・日本国土・本間特定JVが落札している。
寝屋川北部地下河川は計画延長14・3`のうち9・7`が完成しており、約26万立方bの雨水を貯留できる施設として暫定運用している。鶴見調節池の他、都島調節池(城北立坑〜排水機場間延長2・9`、貯水量30万立方b)が工事未着手区間として残っている。
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